ナスダック上場企業のeコマースプラットフォーム運営会社トレジャー・グローバルは5日、1億ドル規模の暗号資産(仮想通貨)戦略を発表した。
同社はビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、規制対象のステーブルコインの取得を通してデジタルインフラの強化を図る。
この戦略は2025年第3四半期に予定される人工知能(AI)搭載コンシューマー・インテリジェンス・プラットフォームの開発支援を目的としている。
1億ドルの資金調達構造
トレジャー・グローバルの仮想通貨戦略は、既存の株式資金調達契約から調達した5000万ドルと、戦略的投資を通じて確保した新たな機関投資家からのコミットメント5000万ドルの2つの資金源で構成される。
同社は資本の利用可能性と市場状況を踏まえ、段階的にビットコインを中心とする仮想通貨の取得を進める計画だ。 この慎重なアプローチにより、市場の変動性リスクを管理しながらデジタル資産ポートフォリオの構築を目指す。
東南アジア市場でリーダーシップを発揮する同社は、流動性比率が8.18という強固な財務体質を維持している。 また、負債対株主資本比率は0.04と低水準に留まっている。
AI プラットフォームとブロックチェーン統合
今回の仮想通貨戦略は、同社が開発中のAI搭載プラットフォームと連動している。 このプラットフォームは、リアルタイムの小売分析機能を提供し、マーチャントがデジタルクーポン販売やデータ検証に基づく売上分析を行えるようにする。 同社は将来的なトークン化イニシアチブ、ロイヤルティプログラム、及びブロックチェーン対応決済システムの基盤確立も目指す。
規制遵守を重視する中、同社はイーサリアムとビットコインに注力するとともに、既存の金融フレームワークに準拠する規制対象ステーブルコインの取得を重視している。 この戦略は、暗号資産の変動リスクと将来の市場環境への対応を両立させるためのものだ。