メルカリは5日、2026年6月期の通期連結決算を発表した。
メルカリの子会社であるメルコインは、暗号資産(仮想通貨)事業で順調な利用者拡大を続けている。2026年3月末時点での仮想通貨取引口座数は、400万口座に達した。
フリマアプリの巨大な顧客基盤を活用し、新たな金融サービスへの誘導を成功させている。
仮想通貨口座数が400万を突破
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)がまとめた統計によると、2026年6月時点の国内における仮想通貨の総口座数は約1,444万口座だった。
メルコインの口座数は、国内全体の約30%を占める計算になる。日本の小売市場において、同社が大きな存在感を示していることがわかる。
メルカリの月間アクティブユーザー数は2,400万人を超えている。同社は全社的にAIを活用した開発を進めており、サービスの利便性向上にも注力している。今後も既存の利用者を基盤に、さらなる口座数の増加が見込まれる。
取引収益は減少もグループ全体は好調
口座数が大きく伸びた一方で、メルコインの仮想通貨事業における売買取引収益は減少した。
当期の収益は15億7,300万円となり、前年の17億500万円を下回った。利用者が増えたにもかかわらず収益が落ち込んだ背景には、市場の変動や取引頻度の変化が影響したとみられる。
JVCEAのデータによると、国内の現物取引高や証拠金取引高は依然として大きな規模を維持している。しかし、仮想通貨市場特有の価格変動の激しさが、利用者の取引行動に変化をもたらした可能性がある。
口座数の増加が直ちに収益拡大に結びつかないという、事業の複雑な側面が浮き彫りになった。
仮想通貨部門の収益は減少したが、メルカリグループ全体の業績は極めて好調だ。当期の連結売上高は約2,293億円で前年比19.0%増、営業利益は約439億円で同57.7%増となった。
主力のフリマアプリ事業や決済サービスが牽引し、過去最高の売上と利益を記録している。
好業績を受け、同社は上限100億円となる初の自社株買いを実施すると決議した。
グループ全体の強固な財務基盤と成長への自信を示した形だ。仮想通貨事業も、この安定した経営基盤の下でさらなるサービス拡充を進めていくと予想される。
