イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は26日、プライバシー重視のメッセージングアプリ、SessionとSimpleX Chatに対して、それぞれ128ETH、合計256ETHを寄付したことを明らかにした。
ブテリン氏は自身のXで、暗号化された通信手段がデジタルプライバシー保護に不可欠であると指摘している。
その上で、許可不要のアカウント作成とメタデータプライバシーの確立を次の重要なステップとして挙げ、今回の寄付先アプリがこの方向性を推進していると評価した。
プライバシー技術への一貫した支援姿勢
Encrypted messaging, like @signalapp, is critical for preserving our digital privacy. Two important next steps for the space are (i) permissionless account creation and (ii) metadata privacy.@session_app and @SimpleXChat are two messaging apps pushing these directions forward.…
— vitalik.eth (@VitalikButerin) November 26, 2025
今回の寄付は、電話番号や中央集権的な識別子を必要としない分散型通信アプリへの支持を示している。
ブテリン氏は以前にも、プライバシープロトコルのRailgunに対して1009ETHを送金しており、プライバシー技術への支援は継続的に行っている。
背景には、EUの「チャット規制法案」など、当局による通信監視強化への懸念があるとみられる。
ブテリン氏はこうした動きに危機感を示しており、分散型・プライバシー重視の技術開発を支援する姿勢を強めている。
26日には、ブテリン氏がイーサリアムのガスリミット最適化に関する技術議論にも参加していた。
これは、同氏がブロックチェーンエコシステム内でのプライバシーインフラに強い関心を持っていることを示している。
また、ビットコイン(BTC)開発コミュニティでも、プライバシー技術導入をめぐる議論が活発化している。
分散型通信アプリの課題と展望
ブテリン氏は、支援したアプリについて「理想的な完成形にはまだ遠い」と述べ、ユーザビリティとセキュリティ両面における課題を指摘した。
具体的には、分散化がもたらすメタデータ保護の強化と引き換えに、複数デバイス対応やシビル攻撃・DoS攻撃への耐性構築といった技術的課題が浮上している。
また、電話番号に依存しない識別システムの必要性も課題の一つだ。
ID認証分野ではワールドコインのようなプロジェクトも存在するが、分散型IDにおけるプライバシーと利便性の両立は依然として難題である。
ブテリン氏は、こうした技術的障壁がプライバシー重視の通信手段の普及を妨げているとしながらも、課題に取り組むすべてのチームを支持し、エコシステム全体の発展を促す姿勢を示した。
