ワールドコイン(WLD)とは、サム・アルトマン氏らが設立した暗号資産(仮想通貨)プロジェクト。目の虹彩を球体スキャナ「Orb」で読み取り「World ID」を得ると、無料でWLDトークンがもらえる仕組みです。
2025年5月には米国6都市で正式ローンチされ、約1,200万ユーザーが登録し、Visa連携のデビットカードも準備中のプロジェクトとなっています。
本記事では、ワールドコイン(Worldcoin、WLD)の特徴、これまでの価格推移と将来性、無料配布を受け取る方法、購入方法、さらに投資する際の注意点について詳しく解説します。WLD投資を考えている方は、是非参考にしてください。
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ワールドコイン(WLD)とは?
仮想通貨名 | Worldcoin |
シンボル | WLD |
時価総額 | 約19.3億ドル |
取引価格 | 1.11ドル(2025年7月時点) |
主要取引所 | Binance, MEXC Global, Gate.io, Bithumb, OKX, Bybit |
ワールドコイン(WLD)とは、OpenAIの共同創業者サム・アルトマン氏が関わるプロジェクトで、個人を証明するための生体認証技術「Orb(オーブ)」を用いた分散型ID(World ID)と、それに紐づく仮想通貨WLDを組み合わせた仕組みです。
ユーザーは虹彩認証により唯一無二の個人であると認証されると、WLDを受け取れる構造で、グローバルなベーシックインカム構想の一端を担うと注目されています。
2023年7月にローンチされ、2025年時点ではBinanceやBybitなど主要取引所で取り扱われ、時価総額は20億ドル近くとなっています。
プライバシーとセキュリティを両立させる設計や、AI時代における「人間性の証明」としての活用が期待されており、社会的な議論も活発です。
ワールドコイン(WLD)の特徴
ワールドコイン(Worldcoin、WLD)には、以下の特記すべき特徴があるため、順番に解説していきます。
- Open AIのサム・アルトマン氏が共同創業したプロジェクト
- 虹彩情報に基づくWorld IDを発行
- ユニバーサルインカムを配布
Open AIのサム・アルトマン氏が関わっている
ワールドコイン(WLD)の最大の注目点は、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が共同創設者として関わっている点です。
ChatGPTの開発で知られるアルトマン氏が主導するこのプロジェクトは、「世界中すべての人にデジタルIDとユニバーサルベーシックインカム(UBI)を提供する」という壮大なビジョンを掲げています。
その実現手段として、虹彩認証を用いた個人認証端末「Orb(オーブ)」を世界各地に設置し、本人確認を行うことでWLDを配布する仕組みを導入しています。
- サム・アルトマン氏の知名度と影響力により、投資家・開発者からの注目度が非常に高い
- Orbによる生体認証で、一人一人が唯一無二のIDを持つ分散型システムを実現
このように、テクノロジーと倫理性を融合させたアプローチにより、ワールドコインは既存の仮想通貨とは異なる次元での社会的意義を目指しています。
虹彩情報に基づくWorld IDを発行
ワールドコインの大きな特徴のひとつが、虹彩情報に基づくWorld IDの発行です。ワールドコインは、「Orb(オーブ)」と呼ばれる日本にもある高性能カメラを備えた生体認証装置によりユーザーの虹彩をスキャンし、World IDの所有者が実在する人間であることを証明します。
World IDは、AI技術が進化したデジタル社会における新しい個人認証システムとして普及することが期待されています。World IDを利用することで、AIボットや偽造IDによるサイバー犯罪を未然に防ぎ、信頼性の高いデジタル社会の構築を支えます。
たとえば、今後急成長が見込まれるメタバース空間での経済活動においても、World IDが利用されることが期待されます。World IDはユーザーがデジタル社会の中で本物の人間であることを証明するためのIDとして重要な役割を担うでしょう。
ユニバーサルインカムを配布
ワールドコインには、全人類にユニバーサルインカムを提供するという壮大なビジョンがあります。ユニバーサルインカムとは、AI技術の普及によって雇用の自動化が進む将来において、全ての人に最低限の収入を保証する仕組みです。
具体的には、ワールドコインが発行するWorld IDの所有者に対し、定期無料トークンを配布することで、世界中の人が平等に最低限の基本収入を得る仕組みの構築を目指しています。なお、ワールドコインは日本からでもWorld IDを登録可能です。
ワールドコインは、Web3時代におけるグローバル経済の中で、私たちの生活を支えるインフラの一部として機能する可能性があります。
ワールドコイン(WLD)の無料配布はいつまで?もらい方を紹介
ワールドコインの無料配布を受けるためには、以下のもらい方でWorld IDを取得する必要があります。
- ワールドコインの公式サイトからアプリをダウンロードする
- アプリを開き新規アカウント登録する
- 認証会場(オーブ設置場所)を選択し予約する
- 予約日に認証会場に行き、虹彩スキャンする
虹彩スキャン終了後、World IDが発行されます。
World ID発行後、アプリで定期無料配布トークン(WLD)を受け取ることができます。以上がWorldcoinのもらい方です。
定期無料配布トークンの終了予定はありません。なお、以前はWorld IDを取得した際に25WLDが無料配布されていましたが、現在は終了しています。
ワールドコイン(WLD)のこれまでの価格推移
引用:CoinGecko
ワールドコイン(Worldcoin)は、2023年8月に海外の仮想通貨取引所で続々と上場し、市場での取引が開始されました。
しばらくは2ドル以下の水準で推移していましたが、2024年初頭から注目が集まり、4月には一時13ドル台まで急騰。その後は利確売りや市場の冷却により大幅に下落し、2025年7月には1.11ドルと、最高値から約49%の下落を記録しています。
WLDの価格変動には、以下のような特徴があります。
- トークン経済やサム・アルトマン氏の影響で、メディア露出時に急激な価格上昇が見られる
- 発行上限が100億枚と多いため、需給バランス次第で大きなボラティリティが発生
2025年現在の時価総額は約19億ドル、流通枚数は約17億枚で、発行枚数の増加による希薄化リスクも意識され始めています。
今後は価格の安定性や実需との連動が鍵となるでしょう。
ワールドコイン(WLD)の将来性・今後の見通し
ここからはワールドコイン(WLD)の将来性と今後の見通しについて解説します。
- 生体認証技術の拡大で実需拡大の期待
- サム・アルトマン氏の影響力とOpenAIとの連携
- 規制環境と価格変動リスクには要注意
生体認証技術の拡大で実需拡大の期待
ワールドコイン(WLD)は、生体認証技術の普及とともに実需拡大が期待されているプロジェクトです。
特に、虹彩認証を活用した「World ID」は個人をユニークに識別する手段として注目されており、オンライン上での本人確認の手段として世界中での活用が進めば、WLDの需要も自然と高まる構図です。
OpenAIのCEOであるサム・アルトマンが関与している点も信頼性を後押ししています。
- 生体認証による本人確認の需要増が、World IDの普及とWLD利用の後押しに
- 発展途上国を中心にユニバーサルベーシックインカム構想が広がればWLDの役割が強化
ただし、規制面での懸念もあり、政府や国際機関の動向次第で普及速度に影響が出る可能性も否定できません。今後は、実際のユースケースがどれだけ生まれ、ユーザー数が増えるかが成長のカギとなるでしょう。
サム・アルトマン氏の影響力とOpenAIとの連携
ワールドコイン(WLD)の将来性を語る上で、サム・アルトマン氏の存在は欠かせません。同氏はChatGPTを開発したOpenAIのCEOであり、AI業界で圧倒的な影響力を持つ人物です。
彼が共同創業したワールドコインは単なる仮想通貨ではなく、グローバルなデジタルIDとユニバーサルベーシックインカム(UBI)の実現を目指す壮大な構想を持っています。
- OpenAIの技術や知見を活かせる環境にあり、AIとブロックチェーンの融合が期待されている
- アルトマン氏の発言がメディアに取り上げられやすく、注目度と市場影響力が非常に高い
OpenAIとの直接的な資本関係はないものの、同社の技術革新とのシナジー効果を市場は意識しています。
特にAIとID認証を絡めたサービス展開が進めば、他の仮想通貨との差別化が明確になり、長期的な価値向上も期待できます。
規制環境と価格変動リスクには要注意
ワールドコイン(WLD)は革新的な生体認証システム「World ID」を武器に、グローバルなデジタルID基盤の構築を目指しています。
しかし、今後の成長には規制環境の影響を強く受ける可能性があり、慎重な見極めが必要です。特にEUやケニアではプライバシー保護の観点から調査や停止措置も行われており、各国の法規制が価格に大きな影響を与える可能性があります。
- プライバシー規制強化により一部地域でサービス停止や調査対象となるリスクがある
- 新興国中心に普及拡大の動きがあるが、各国の承認・法整備の進捗に左右されやすい
さらに、ビットコインなど主要銘柄に比べて市場が未成熟なため、短期的な価格変動が大きく、投資家心理にも大きく左右されがちです。
WLDは将来性のあるプロジェクトではありますが、社会的受容性と規制の壁を乗り越えることが中長期的な成長の鍵となるでしょう。
ワールドコイン(WLD)の買い方・購入方法
続いて、ワールドコイン(Worldcoin)はどこで買えるのかについて紹介します。
現在、国内の仮想通貨取引所ではワールドコインを購入することはできません。ワールドコインは、バイナンス(Binance)などの海外の仮想通貨取引所を利用する必要があります。
ただし、海外の仮想通貨取引所では日本円の取引に対応していないため、仮想通貨を準備しておく必要があります。そのため、ワールドコインを購入する際は、国内の仮想通貨取引所の口座も同時に用意しておくと便利です。
以下では、一般的な仮想通貨の購入方法について解説します。
- 国内の取引所の口座を開設
- 仮想通貨を購入
- 海外の取引所の口座を開設
- 海外の取引所の口座に仮想通貨を送金
- ワールドコインを購入
①:国内の取引所の口座を開設
海外の仮想通貨取引所でワールドコインを購入するための仮想通貨を用意するために、国内の仮想通貨取引所の口座を開設します。
たとえば、国内では以下の仮想通貨取引所などが有名です。
- Coinchek(コインチェック)
- SBI VCトレード
- bitFlyer(ビットフライヤー)
口座開設は、各仮想通貨取引所の公式サイトから行います。パソコンもしくはスマートフォンのどちらからでも口座開設することが可能です。口座開設には、免許証とマイナンバーカードが必要になるので用意しておきましょう。
基本的に、新規アカウント登録、個人情報の登録、本人確認書類の提出(アップロード)を行えば、数時間~数日で承認され、口座開設が完了します。具体的な口座開設の手順は、各仮想通貨取引所の公式サイトをご参照ください。
②:仮想通貨を購入
国内の仮想通貨取引所の口座開設ができた後は、口座に日本円を入金しましょう。通常、入金方法はコンビニ入金、オンラインバンク、クレジットカードで仮想通貨取引所へ入金ができます。
口座に入金額が反映されれば、仮想通貨取引所を通して仮想通貨を購入できる準備が整います。たとえば、ビットコインなどのメジャーコインを購入しておけば問題ないでしょう。
③:海外の取引所の口座を開設
仮想通貨の購入が完了した後は、ワールドコインの取り扱いがある海外の仮想通貨取引所の口座を開設しましょう。たとえば、以下の取引所でワールドコインを購入することができます。
- Binance(バイナンス)
- Bybit(バイビット)
- OKX(オーケーエックス)
海外の取引所でも、基本的に口座開設方法は国内の取引所と同じ手順です。なお、海外の取引所の口座を開設する際は、国内の取引所と同じアカウント情報で開設することにご注意ください。アカウント情報が異なる場合、マネーロンダリング防止の観点により、仮想通貨の送受金ができない可能性があります。
ただし、メタマスクなどの仮想通貨ウォレットを経由する場合は、資金の送受金が可能になります。特に必須ではありませんが、不安な方は仮想通貨ウォレットもしくはコールドウォレットを用意しておくと良いでしょう。Best Walletも仮想通貨ウォレットとしておすすめです。
④:海外の取引所の口座に仮想通貨を送金
ワールドコインの取扱がある海外の取引所の口座開設が完了後、国内の取引所で購入した仮想通貨(ビットコインなど)を海外の取引所の口座に送金する手続きを行います。
なお、口座間での仮想通貨の送金は、送金先(今回は海外の取引所)のアドレスがわかれば簡単に手続きすることができます。詳しい送金方法は、ご利用する取引所の公式サイトでご確認ください。
⑤:ワールドコインを購入
海外の取引所に仮想通貨を送金できれば、ワールドコインを購入することが可能です。
取引通貨からワールドコインを選択し、購入量を決め、購入手続きを行ってください。通常、成行注文で購入できますが、お得に購入したい場合、指数注文や逆指数注文などもご利用可能です。
- 指数注文:事前に設定した条件(価格)に達したときに自動で売買を行う注文方法
- 逆指数注文:価格が事前に設定した逆の方向に動いたときに自動で売買を行う方法
ただし、ワールドコインは長期投資が有効なガチホ向け仮想通貨の1つです。スキャルピングのような短期売買で利益を狙う取引は大きなリスクを伴います。
ワールドコインを購入する際は、目先の価格変動に捕らわれず、数ヶ月~数年単位の長期投資による価格差を狙った取引を心掛けた方が良いでしょう。
ワールドコイン(WLD)の換金方法
日本でワールドコイン(WLD)を保有している場合、そのままでは日常生活で使うことはできません。
日本円に換金するには、取引所を活用して売却し、銀行口座に出金する必要があります。
ここでは日本在住者向けに、WLDを円に換金する3つのステップを具体的に解説します。
- 対応する仮想通貨取引所にWLDを送金する
- WLDをUSDTやBTCに換金し、日本の取引所へ送金する
- 日本円に換金し、銀行口座へ出金する
①:対応する仮想通貨取引所にWLDを送金
まず、WLDを取り扱っている仮想通貨取引所(例:Bybit)にログインし、自身のウォレットから該当取引所へWLDを送金します。
送金アドレスやネットワークの間違いに注意し、少額でテスト送金を行うと安全です。
②:WLDをUSDTやBTCに換金し、日本の取引所へ送金
日本の取引所ではWLDが直接取り扱われていないため、海外取引所でWLDをBTC(ビットコイン)などに交換します。
その後、交換した仮想通貨をbitFlyerやコインチェックなどの国内取引所に送金します。
③:日本円に換金し、銀行口座へ出金
国内取引所に着金後、USDTやBTCを日本円に換金し、銀行口座へ出金手続きを行います。
出金先口座は事前に本人確認済みである必要があります。手数料や反映時間も確認しておきましょう。
ワールドコイン(WLD)を購入する際の注意点
ワールドコインは、Web3時代のグローバル経済において、私たちの生活を支えるインフラとして機能する可能性があります。しかし、野心的なビジョンの一方で、以下の問題が懸念されているのも事実です。
ここではWLDの特徴を踏まえた上で、購入前に必ず押さえておきたいポイントを解説します。
海外取引所を使う際の法規制と流動性リスク
日本国内ではワールドコイン(WLD)の取り扱いが限られており、購入にはBybitなどの海外取引所を利用するケースが多くなります。
しかし、日本の金融庁は海外取引所での暗号資産取引に対して注意喚起を行っており、万が一トラブルが発生しても日本の法律で保護されないリスクがあります。
また、海外取引所では一部通貨ペアの取引量が少なく、注文が通りづらい「流動性リスク」も存在します。
特に以下の点に注意が必要です。
- 金融庁未登録の取引所は補償や救済制度の対象外
- 板が薄い時間帯は価格が大きく変動するリスクがある
安全に取引するためには、信頼性の高い大手取引所を選び、必要に応じて少額から取引を始めるなどリスク管理を徹底しましょう。
プライバシーや生体認証の懸念点
ワールドコイン(WLD)は虹彩認証を活用した独自の本人確認システムを採用していますが、この仕組みがプライバシー面で懸念されています。
特に、虹彩データという極めて個人的な生体情報を収集する点が問題視されており、一度流出すれば取り返しがつかないというリスクがあります。
さらに、データの管理主体がOpenAIのCEOサム・アルトマンが関与するWorldcoin財団であるため、中央集権的な管理に不安を感じる声もあります。
ユーザーが生体情報の提供を対価にWLDを受け取るという仕組みは、倫理的な観点からも議論の的になっています。プライバシー保護の体制や透明性のある運用方針が整っているかを十分に確認した上で、慎重に参加を検討する必要があります。
価格変動リスク
仮想通貨全般に言えることですが、ワールドコイン(WLD)も例外ではなく、価格変動リスクが非常に高い点に注意が必要です。
WLDは新興プロジェクトであり、短期間で大きく価格が上下する可能性があります。市場のニュースや規制動向、開発状況に影響されやすく、価格が急落するケースもあります。
損失を避けるためには、以下のような対策が有効です。
- 投資額は余剰資金にとどめ、全資産の一部に抑える
- 長期的な視点でプロジェクトの将来性を見極める
かつてビットコインのように価格が1000倍になった仮想通貨銘柄は、最初から成功が約束されていたわけではありません。将来有望と言われつつも、プロジェクトが衰退した草コインは多く存在します。
ワールドコインもそのリスクがゼロではありません。しかし、価格が低迷している今のタイミングで投資を始めることで、将来的に大きなリターンを得るチャンスを掴むことができるかもしれません。
まとめ
ワールドコイン(Worldcoin、WLD)は、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が共同設立したことで注目を集めている新しい仮想通貨プロジェクトです。
同プロジェクトは、AI技術の進化に伴い懸念される偽造IDやデジタル社会での個人識別の課題に対応し、世界中の人々がグローバル経済に参加できる仕組みを構築することを目指しています。
ワールドコインの大きな特徴の1つが、ユーザーの虹彩情報に基づくWorld IDの発行です。デジタル空間において、ユーザーが実在する人間であることを証明する新しい認証手段として普及が期待されています。
一方で、ドイツ・バイエルン州のデータ保護監督局から生体認証(虹彩スキャン)に関する調査が入り、欧州での運用停止も発生。プライバシー規制が重くのしかかる状況となっています。今後の動向に注目です。