資産運用大手のフランクリン・テンプルトンは2日、ビットコイン(BTC)と分散型金融(DeFi)の統合を支持すると表明した。
同社はドバイで開催されたToken2049カンファレンスにてこの見解を公表した。
フランクリン・テンプルトン デジタル資産部門のマネージングディレクターであるケビン・ファレリー氏は、ビットコインのDeFi分野における進歩を強調した。
スマートコントラクトやBitlayerのようなレイヤー2ソリューションは、ビットコイン本来の価値保存手段としての役割を維持しつつ、「新たな有用性」をもたらすと述べた。
Bitlayerは、BitVM技術を活用したビットコインの計算レイヤーである。
これにより、ビットコインの基本レイヤーではネイティブにサポートされていない高速な取引、低い手数料、そして高度なDeFi機能が可能になる。
ビットコイン進化の展望とDeFiの役割
フランクリン・テンプルトンが発表した2025年の暗号資産(仮想通貨)見通しでは、ビットコインがグローバルな金融イノベーションの基盤として進化する役割が強調されている。
特にトークン化とステーブルコインがDeFiの成長を牽引すると見ている。
同社は、ビットコインDeFiを、ビットコインETF(上場投資信託)のような機関投資家による採用を補完するものと位置付けている。
また、今後の規制明確化が、伝統的な金融システムにおける仮想通貨の役割をさらに確固たるものにすると期待している。
この動きの背景にはいくつかの要因がある。
まず、フランクリン・テンプルトン自身がビットコインETFやトークン化されたファンドに積極的に関与しており、これは仮想通貨の金融における有用性を拡大しようとする広範な機関投資家の取り組みを反映している。
次に、米国で予想されるステーブルコインや仮想通貨商品に関する規制の枠組み整備が、DeFiの採用と異なるブロックチェーン間の相互運用性を加速させる可能性がある。
技術革新と市場への影響
ビットコインDeFiにおける取引手数料の潜在的な増加は、半減期後のブロック報酬減少を補い、ネットワークのセキュリティ維持に貢献するかもしれない。
技術革新の面では、Bitlayerのようなレイヤー2ソリューションがビットコインのスケーラビリティ(拡張性)の限界に対処する。
これにより、ビットコインのセキュリティを損なうことなく、イーサリアムのようなDeFiエコシステムの構築が可能になる。
ファレリー氏は、「ビットコインDeFiは価値保存の理論を薄めるのではなく、その上に構築されている。これはインフラの成熟だ」と述べている。
Bitlayerはオフチェーン(ブロックチェーン外)での計算を検証するレイヤーとして機能し、ビットコインメインネットのセキュリティを確保しながらDeFi固有のユースケースを実現する。
ビットコイン上でのDeFi活動の活発化は、従来イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)に注力していた開発者や投資家を引き付ける可能性がある。
フランクリン・テンプルトンは長期的な視点として、ビットコインがDeFi主導の利回り機会や機関投資家向けの製品によって強化され、グローバルな金融資産としての地位を固めていくと予測している。
このような動きは、今後の仮想通貨投資の判断材料となるだろう。
多くの投資家は、ポートフォリオに含めるべきアルトコインの選定にも注目しており、特に将来性が期待される新しい仮想通貨の情報収集が重要になっている。