中国人民銀行(PBOC)は29日、暗号資産(仮想通貨)の禁止措置を改めて確認し、ステーブルコインに対する取り締まりを強化する方針を明らかにした。
公安部や最高人民法院など12の政府機関との合同会議で協議が行われ、当局は仮想通貨が法定通貨としての地位を持たないことを再度強調した。
21年に施行された包括的な禁止措置を補完し、投機やデジタル通貨に関わる違法行為への法執行を強化する方針だ。
ステーブルコインへの監視強化
中国当局はステーブルコインを主要な懸念事項に挙げており、マネーロンダリング対策や顧客本人確認の基準を満たしていないケースが多く、詐欺や不正な越境資金移動への悪用リスクが高いと指摘している。
中国は厳格な資本規制を敷いており、ステーブルコインを通じた資金流出は国家の金融管理に対する脅威とされる。
25年8月には証券会社に対し、関連セミナーの中止や調査報告の停止を指示し、9月には香港での一部事業の停止を要請した。
禁止下での活動再燃とマイニングの現状
仮想通貨の禁止措置が続くなか、中国国内では一部で投機的な動きが再び見られている。個人による仮想通貨投資も、水面下で続いているとみられる。
10月初旬時点で、世界のビットコイン(BTC)マイニングにおける中国のシェアは14%を超え、前四半期比で13.8%増加した。
エネルギー資源が豊富な地域では、かつてのようにマイニング活動が復活しつつある。
これらの拠点は移動が容易で実態の把握が難しく、規制当局にとっては対応が難しい領域だ。マイニングは過去に数十億ドル規模の経済を支えていた経緯もある。
今回の引き締めは、通貨主権の維持を優先する中国政府の方針を反映したものだ。不正資金の流通経路としてデジタル資産が使われる事態を防ぐ狙いがある。
現在は、具体的な法執行の動向に市場の注目が集まっている。
