タイ政府は18日、外国人観光客が暗号資産(仮想通貨)をタイバーツに両替してQRコード決済できる制度、TouristDigiPayの運用を開始した。
このプログラムは、SECとタイ中央銀行が共同で監督する規制サンドボックス内で実施される。
規制下での安全な決済スキーム
TouristDigiPayでは、観光客がライセンスを受けたデジタル資産事業者や電子マネー企業を通じてTourist Walletを開設する必要がある。
利用者は、ウォレット内でビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨を事前にタイバーツへ変換し、加盟店舗でQRコードを使って決済を行う。
支払いは直接仮想通貨ではなく、すべてバーツに両替された上で処理される。
また、ウォレットは外国発行のデビットカードやクレジットカードとの連携が可能で、従来の決済システムとデジタル資産を橋渡しする仕組みだ。
制度導入の背景には、コロナ禍以降に観光客数が減少し、特に中国からの訪問者が約20%減少している状況がある。
政府はテクノロジー志向の旅行者層を取り込み、観光業の依存先を多角化する狙いだ。
この制度には、本人確認(KYC)やアンチ・マネー・ローンダリング(AML)の厳格な基準が設けられ、制度全体の透明性と安全性が担保されている。
利用上限と税優遇
TouristDigiPayの利用者には月間5万〜50万バーツの決済上限が設けられ、さまざまな消費スタイルに対応する設計となっている。
また、仮想通貨取引の利益に対する5年間の税制優遇措置も導入され、仮想通貨に親和性の高い旅行者にとって魅力的な環境が整えられた。
専門家は、加盟店舗の参加率とユーザー体験の質が制度成功の鍵を握ると指摘しており、初年度には関連消費が10〜15%増加する可能性があるとの見方を示している。
この取り組みは、観光経済にソラナ(SOL)などのブロックチェーンやWeb3技術を活用する先行事例として、他の観光依存国にも参考になるとみられている。
