仮想通貨決済プラットフォーム大手トランザックのサミ・スタート共同創業者兼CEOは9日、ステーブルコインが消費者向けアプリケーションに組み込まれることで、目に見えない形で普及が進むとの見解を示した。
同社が公表した、「ステーブルコイン・グローバルマネームーブメントレポート2025」では、こうした普及が次の10年の急成長を支える基盤になると分析されている。
2030年に最大612兆円規模へ
業界の修正予測では、ステーブルコインの発行量は2030年までに、基本シナリオで1兆9000億ドル、積極採用シナリオでは最大4兆ドル(約612兆円)に達すると見積もられている。
この成長は、トランザックが別途発表したレポート「2026年における取引以外の10の驚くべきステーブルコイン利用事例」とも一致しており、国際送金からAIエージェントによる自動決済に至るまで、ユースケースの多様化が進んでいる。
報告書は、富裕層、ファミリーオフィス、暗号資産(仮想通貨)機関、ベンチャーキャピタル、グローバルな店頭取引に関心を持つトレーダーにとって、ステーブルコインがすでに不可欠な存在になりつつあると指摘している。
現在は中央集権型が主流だが、分散型ステーブルコインのシェアも拡大しており、機関投資家や新興市場を中心に採用が加速している。
拡大を支える規制とインフラ整備
トランザックによると、こうした成長の鍵は法整備とインフラ拡充にある。
25年に米国で成立したGENIUS法は、法定通貨による裏付けやライセンス取得を義務づけることで、ステーブルコイン発行の透明性と信頼性を高めた。これが機関投資家の参入を後押ししている。
また、EUや英国、シンガポール、日本などでも同様の規制整備が進んでいる。主要な発行者や取引所による銀行免許の取得も進み、オンチェーン資産と既存の金融インフラが統合されつつある。
レポートは、従来の国際送金が抱える高コストや遅延といった課題を、ステーブルコインが解決しつつあると分析している。
即時性と費用対効果の高さが、世界的な決済手段としての価値を高めている。
