テザー社の金準備資産が116トンに到達、中銀レベルに匹敵

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テザー社のロゴと山積みされた金塊

ステーブルコイン発行大手のテザー社はこのほど、25年第3四半期時点で保有する金の準備資産が116トンに達し、一部の中央銀行と肩を並べる規模となったことが明らかになった。

米投資銀行ジェフリーズの分析によると、この金保有量は約129億ドル相当で、国家以外の主体としては最大級に位置づけられる。

テザー社の保有量は、韓国銀行、ハンガリー国立銀行、ギリシャ銀行といった各国の中央銀行の準備金と同水準にある。

金市場への影響と事業拡大

テザー社による継続的な金購入は、市場価格にも影響を与えている。ジェフリーズは、年初からの金価格上昇のうち約50%が同社の買い支えによるものと分析している。

同社は金の現物購入だけでなく、鉱山企業や金のロイヤリティ事業にも3億ドル超を投資している。

その結果として、発行する金裏付けトークンXAU₮(XAUt)の時価総額は第3四半期までに21億ドルに倍増した

テザー社の広報担当者は、同社を国境なき中央銀行と位置づけ、「実物資産への分散によってマクロ経済変動への耐性を高めている」と述べた。

テザー社は今後も金保有を拡大する方針で、25年末までに追加で100トンを取得する計画だ。

規制強化と資産構成の課題

一方で、ステーブルコインを巡る規制強化がテザー社の戦略に影響を及ぼしている。

米国で25年7月に施行されたGENIUS法により、準備資産は高品質の流動資産で100%裏付けることが義務化された。

この法律により、金やビットコイン(BTC)などの非流動資産は準備金の対象外とされ、同社は米国市場向けに金による裏付けを持たない新トークン「USAT」を発表した。

格付け会社S&Pグローバルは、非流動資産への依存や準備金の透明性に懸念を示し、テザー社の格付けを「弱い」に引き下げた。

特に、約99億ドル相当のBTC保有が過剰担保を上回る水準にあり、下落時の担保不足リスクが指摘されている。

テザー社は安定性を強調する一方で、米財務省は同社の準備資産が規制に反するとして警戒感を強めており、今後の当局との対立が注目される。

著者: 白石 一颯

仮想通貨・ブロックチェーン分野を中心に、最新ニュースや規制動向、プロジェクト分析などを取材・執筆。国内外の信頼性ある情報源をもとに、読者に正確で有益なコンテンツを届けています。専門性と透明性を重視し、投機に偏らない情報提供を心がけています。