イーサリアム(ETH)のバリデーター退出待ち行列は14日、約71万8000ETH(約3310億円)に達した。
通常は24時間以内で完了するETHの出金処理だが、現在は完了までに最大13日程度を要する状態となっている。
遅延の背景にネットワーク設計と市場の圧力
今回の遅延の背景には、ネットワーク設計と暗号資産(仮想通貨)市場を取り巻く環境、両面での要因がある。
イーサリアムでは、バリデーターの退出に際し、約1週間の待機期間が設けられている。これは、大量の同時退出によるネットワークの混乱を防ぐための仕組みだ。
この待機制度は通常の範囲での退出には有効だが、今回は新規ステーキングを大きく上回る解除申請が短期間に集中。結果として待機行列が急増し、出金処理の遅延が発生している。
市場環境の面では、Lidoが発行するstETHとETHの価格乖離が拡大し、裁定取引を目的としたステーキング解除が進んだほか、EtherFiやコインベースなどのLST(リキッドステーキングトークン)提供者による資金移動も相次いだ。
さらに、ETH現物ETFの承認期待や、価格の上昇を受けた長期保有者による利益確定の動きも重なり、退出需要が一気に膨らんだことで、出金処理の遅延をさらに深刻化させた。
アナリストは、ネットワークが設計通りに安定して稼働している点を評価しつつも、極端な出金需要に対する処理能力の限界が浮き彫りになったと指摘している。
