ブータン政府は16日、保有するビットコイン(BTC)の一部を暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンスに送金した。
過去1年で1万BTC以上を売却か
ブータン政府に関連するとされるウォレットは、533.2 BTCを送金した。送金された仮想通貨は、金額にして約3,450万ドルに上る。
ブロックチェーン分析会社によると、同政府は2025年6月以降、段階的に約1万451 BTCを売却してきたとみられる。これによる累計の売却益は、約9億7,900万ドルに達する。
1 BTCあたりの平均売却価格は、約9万3,738ドルだった。
ブータンは国家レベルで大量の仮想通貨を保有する数少ない国の一つとして知られている。かつて1万3,000 BTC以上あったとされる保有量は、一連の売却行動で大幅に減少した。
現在のウォレット残高は約1,750 BTCとなり、約1億1,300万ドル相当になったと推定される。市場の動向に合わせて、保有資産のリスクを減らし再調整を図る組織的な動きと分析されている。
政府の公式見解とオンチェーンデータの乖離
ブータンは国営投資会社を通じてビットコインのマイニング(採掘)事業を展開してきた。国家の主権資産の一部として、長期的な保有と積極的なポートフォリオ管理を組み合わせている。
しかし、政府の公式見解とオンチェーンデータの間には明確な乖離が存在する。政府関係者は仮想通貨の売却を公には認めておらず、2026年5月には最後に売却した時期を覚えていないと発言していた。
一部の資金移動は内部送金や保管場所の変更であると主張している。
一方で、外部のデータ提供者やメディアは、取引所への大規模な送金を実際の売却とみなしている。
今回の送金は、ビットコイン価格が6万5,000ドルを下回る局面で行われた。ブータンの取引規模は世界の1日の取引量と比較すると小さい。
それでも、国家による継続的な売却行動は、市場参加者の間に短期的な不安を広げる要因になっている。
