ナイジェリア上院は9日、暗号資産(仮想通貨)取引所などにライセンス取得を義務付ける法案を第2読会で可決した。
仮想通貨規制の整備を本格化
今回可決されたのは、仮想通貨サービスプロバイダー(VASP)規制法案だ。
この法案は、ナイジェリアで初となる仮想通貨やデジタル資産に関する包括的な法的枠組みの構築を目指している。
仮想通貨取引所やカストディ業者に対し、規制当局への登録とライセンス取得を義務付ける内容が盛り込まれた。
特に、ビットコインなどの主要な暗号資産の取引が、厳格な監視対象となる見込みだ。
法案の主な目的は、投資家保護とデジタル経済の強化だ。事業者は顧客資産の分別管理や、厳格な本人確認(KYC)手続きを実施する必要がある。
また、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CTF)といった国際基準に準拠したコンプライアンス体制の構築も求められる。
第2読会の通過は、上院が法案の基本原則に合意したことを意味する。今後は上院の資本市場委員会に送られ、4週間以内に詳細な条文の審議や公聴会が行われる予定だ。
その後、第3読会や下院での同意、大統領の署名を経て正式な法律として成立する。
高い普及率と経済背景が法整備を後押し
ナイジェリアは世界でも有数の仮想通貨普及率を誇る国として知られる。
しかし、これまで明確な規制が存在しなかったため、投資家が詐欺やプラットフォームの破綻といったリスクにさらされるケースが相次いでいた。
政府は法整備を進めることで、市場の透明性を高め、消費者を保護する狙いがある。
同国における仮想通貨の普及には、マクロ経済の要因も大きく影響している。
近年の深刻な通貨不安や厳格な資本規制を背景に、多くの市民が決済や価値の保存手段として仮想通貨を利用してきた。
市民の間では、米ドルに連動するステーブルコインの需要も急増している。
当局はこうした取引を監視可能な枠組みに組み込み、税収の確保や金融犯罪リスクの軽減を図ろうとしている。
証券取引委員会(SEC)などの規制当局は、すでにデジタル資産に関する独自のルール作りを進めてきた。
今回の法案は、こうした既存の取り組みを法律レベルで強固にするものだ。
最終的な法案の内容は、アフリカ諸国における仮想通貨規制のモデルケースになるとして、国内外の業界関係者から高い関心を集めている。
また、イーサリアムを活用した分散型金融への影響も注視されている。
