韓国済州市は16日、地方税を滞納している市民から暗号資産(仮想通貨)を差し押さえる措置を開始した。
対象となるのは2962人で、未納税額は総額19億7000万ウォン(約14億2000万円)に達している。
当局はAIの機械学習を活用したデータ分析で、未申告の資産を保有している市民を特定した。
その結果、49人がビッサム、アップビット、コインワン、コービットの国内主要4取引所に、合計2億3000万ウォン(約1660万円)相当の仮想通貨を保有していることが判明した。
これを受け、済州市は取引所を第三債務者として指定し、資産の凍結と差し押さえを命じた。
2021年法改正による差し押さえ権限
今回の措置は、2021年に改正された国税庁法および地方税法に基づくものだ。これにより当局は仮想通貨を現金と同等の資産として扱い、未納税に対して押収・換金することが可能になった。
すでに国税庁は全国的に仮想通貨を活用した滞納処分を進めており、済州市の取り組みは地方自治体としては最大級の事例とされている。
また、データ提供を拒否する取引所には法的制裁が科される可能性もあり、税務調査への協力が強く求められている。実際に当局はリアルタイムでの取引履歴へのアクセスを確保しており、隠し資産の追跡が容易になっている。
全国的な流れと今後の見通し
今回の動きは、韓国全体で強化されている仮想通貨税金分野の税務執行強化策の一環だ。2024年には京畿道の坡州市も17人の滞納者に対し同様の措置を検討しており、地方レベルでの取り締まりが広がっている。
当局は押収した仮想通貨を換金して税金に充当し、残余分は滞納者に返還する方針を示している。
金融当局も国民に対し、仮想通貨の所有は納税義務を免除するものではなく、脱税行為が資産押収に直結する可能性を改めて強調している。
済州市の事例は、韓国政府がブロックチェーン産業の成長を支援しつつも公共財源を確保するため、規制と監督を強化している姿勢を象徴している。
今後も地方自治体による同様の動きが続くと見られ、仮想通貨所有者にとって仮想通貨投資を行う際の税務コンプライアンスの重要性は一層高まっている。
