ステーブルコインUSDCを手がける米サークル(Circle)は12日、レイヤー1ブロックチェーンArc(アーク)を発表した。
Arcは、金融アプリ向けに設計されたイーサリアム互換の新ブロックチェーンで、ガス代にUSDCを使用する。
規制対応を前提とした構造で、ステーブルコイン決済のインフラ強化を狙う。テストネットは25年9月公開予定だ。
機関投資家の需要が後押しするインフラ開発
サークルが独自ブロックチェーンを開発した背景には、25年6月のIPO成功により得た資金と市場での地位がある。同社はUSDC発行にとどまらず、インフラ提供にも乗り出している。
ジェレミー・アレールCEOは「金融業界のあらゆる主要セクターで、ステーブルコイン基盤のシステム構築とサークルとの提携が加速している」と語った。
伝統的な金融と暗号資産(仮想通貨)のインフラを繋ぐステーブルコインベースの決済システムに対する機関投資家の関心の高まりが、新たな市場機会を生み出している。
既存のブロックチェーンはステーブルコイン利用を主目的に設計されておらず、Arcはこうした非効率性の解消を目的としている。
規制強化が進む中で、サークルはコンプライアンス機能を内包する独自ネットワークを通じ、USDC活用の安全性と信頼性を高めようとしている。
エンタープライズ対応と相互運用性
Arcはエンタープライズ利用を前提とした設計となっており、1秒未満でのトランザクション完了を可能にする。
また、異なるステーブルコインや法定通貨間のシームレスな交換を実現する統合型FXエンジンも搭載される。
さらに、透明性と商業上の機密性を両立するプライバシー制御機能を備え、機関投資家向けアプリケーションへの展開を想定している。
同社は、Arcが現在USDCを展開している24以上のブロックチェーンと引き続き接続可能である点を強調し、独自チェーンの開発と既存パートナーネットワークのサポートを両立し、マルチチェーン戦略を堅持する。
Arcは新たな財団により管理される、パブリックかつパーミッションレスなネットワークとして設立される予定だ。
サークルはこの展開を通じて、ステーブルコイン発行者からフルスタックの金融インフラ提供者への進化を目指している。
このような独自ブロックチェーンの開発は、イーサリアム(ETH)をはじめとする既存プラットフォームに対する新たな競争圧力となり得る。
