デジタルフィンテックグループのMercurity Fintech Holding(MFH)は12日、8億ドル(約1152億円)の資金調達計画を発表し、長期的なビットコイン財務準備金を構築する方針を明らかにした。
8億ドル規模の資金調達とビットコイン戦略
ナスダックに上場するブロックチェーン決済インフラ開発企業のMFHは、財務資産の一部を暗号資産(仮想通貨)に移行する。この計画は、利回りを生み出すブロックチェーン連携の構造を目指すものだ。
計画の柱は3つの戦略で構成される。
- 安全なビットコイン(BTC)の保管を実現する、機関投資家向けカストディ
- 受動的な利回りを得るための、オンチェーンステーキング
- 資産のリアルタイム追跡と流動性最適化を可能にする、トークン化された財務管理
同社はこの取り組みを通じて、伝統的な金融手法と分散型金融(DeFi)の仕組みを融合させる。トークン化は、資産の分割所有や24時間体制での流動性確保を実現する。
Shi Qiu CEOは、「この動きが同社を進化するデジタル金融エコシステムの主要プレーヤーとして位置づけるものだ」と述べた。
FTSE Russell指数への組み入れと市場への影響
MFHは資金調達計画と同時に、FTSE Russell 2025のインデックス再構成リストに暫定的に組み入れられたことも公表した。同社が組み入れられる見込みのRussell 2000指数は、10.6兆ドル(約1526兆円)の機関投資家資産が追跡する、小型株の重要なベンチマークである。
この指数への採用は、機関投資家からの注目度を高め、同社株式の取引流動性を向上させる効果が期待される。今回の決定は、MicroStrategyやTeslaといった企業がビットコインを財務準備資産として採用する大きな流れに続くものだ。
計画が実現すれば、MFHは7433 BTCを保有し、世界で11番目に大きなビットコイン保有企業となる可能性がある。これは仮想通貨長期保有の一環として、企業の財務戦略に大きな影響を与えている。
この発表は、米中間の貿易動向や米国大統領選挙に関連する政策への憶測を背景に、ビットコイン価格が史上最高値に迫る中で行われた。
機関投資家向けの規制された仮想通貨カストディや利回りソリューションへの需要の高まりを反映している。