イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は30日、ジーキャッシュ(ZEC)に対し、トークン保有量によるガバナンス導入は「プライバシーを損なう恐れがある」と警告した。
Xへの投稿で、こうしたモデルは短期的な金銭的利益を優先し、長期的価値の劣化を招くリスクがあると指摘している。
プライバシー保護と市場圧力の対立
I hope Zcash resists the dark hand of token voting.
Token voting is bad in all kinds of ways (see https://t.co/Cvl7CFVgtc ); I think it's worse than Zcash's status quo.
Privacy is exactly the sort of thing that will erode over time if left to the median token holder. https://t.co/NbRqGLOrpj
— vitalik.eth (@VitalikButerin) November 30, 2025
ジーキャッシュでは現在、ガバナンス体制を巡る議論が進んでおり、トークン加重システムを支持する側は、市場原理に基づく説明責任の重要性を強調している。
一方で、批判派は、富裕層による支配につながるリスクを懸念している。
こうした中、ジーキャッシュの価格は10月以降、約2カ月で500%以上急騰。プライバシー重視の理念と、市場主導のガバナンスを求める声との間で、緊張が高まっている。
市場の注目が集まる中、グレースケールは25日、ジーキャッシュETFの申請を提出した。ファンドの運用資産残高は1億9600万ドルに達しており、承認されれば米国初のプライバシー重視型ETFとなる見込みだ。
ビットコインETFの承認以降、新たな暗号資産(仮想通貨)ETFの展開が加速している。
規制環境と組織的な課題
ブテリン氏は、EUの仮想通貨規制やTornado Cashへの制裁を例に挙げ、トークンガバナンスでは規制圧力への対応が困難になると警鐘を鳴らした。
こうした中、ジーキャッシュコミュニティ内でも意見は分かれている。HeliusのMert Mumtaz CEOは、既存の委員会モデルの限界を認めつつ、ブテリン氏が指摘する「クジラの支配」には一定の理解を示した。
機関投資家の参入が進むなか、ジーキャッシュは「投資家フレンドリーなモデル」への移行か、「創業時の理念」維持かという選択を迫られている。
このガバナンス論争は、今後の仮想通貨投資における統治モデルの在り方を巡る、重要な論点の一つとなっている。
