分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドが12日、ミームコインPOPCAT(POPCAT)をめぐる価格操作疑惑の浮上を受け、入出金を一時停止した。
アービトラム・ブロックチェーン上で運営される同取引所は、公式サイト上でメンテナンスと説明している。
しかし、ブロックチェーン分析により、同取引所の流動性プロバイダー(HLP)ボールトが490万ドルの損失を被った直後に停止が行われたことが判明した。
POPCAT価格操作の手口と影響
価格操作を行ったのは単独のトレーダーだった。中央集権型取引所OKXから300万ドル相当のUSDCを引き出し、19のウォレットに分散した。
その後、1トークンあたり0.21ドルで約2000万ドル分のPOPCATを一斉に買い注文した。
この人為的な買い圧力により、POPCATのポジション総額は3000万ドルに膨らんだ。だが、トレーダーは直後に買い注文をキャンセルした。
買い支えがなくなったことで、他のトレーダーのレバレッジポジションが連鎖的に清算される事態に陥った。清算処理を担ったハイパーリキッドのHLPボールトは490万ドルの損失を計上した。
POPCATは21年にソラナ(SOL)上で発行されたミームコインだ。
価格操作により取引高は2億3000万ドルに拡大し、価格は一時0.20ドルまで上昇したが、その後は0.13ドル付近へと下落した。
分散型金融のリスクと運営対応
ハイパーリキッドは問題のポジションを手動で決済した。分散型コミュニティによる管理を掲げる同取引所にとって、これは異例の対応であり、独自トークンHYPEは事件後に約2%下落した。
ブロックチェーン分析では、アービトラム上で緊急ロック機能が作動し、入出金が停止されたことが確認されている。現時点で入出金の再開時期は明らかにされていない。
ハイパーリキッドでは過去にも価格操作事件が発生しており、25年3月にはJelly-My-Jelly(JELLYJELLY)を巡る操作で1200万ドルの未実現損失が報告された。
ザ・ブロックのスティーブン・チェン氏は「分散型取引所であるハイパーリキッドは成長しているものの、中央集権型取引所と比べてリスク管理が脆弱であることが浮き彫りになった」と述べている。
