金融庁は25日、暗号資産(仮想通貨)交換業者に対して、顧客資産の損失に備えた弁済原資の確保を義務付ける方針を示した。
サイバー攻撃やシステム障害による被害時の補償体制を強化する狙いがある。
新制度では、コールドウォレットによる管理を条件に免除されていた補償準備金の積み立ても、義務化される見通しだ。
証券会社並みの厳格な基準へ
新たな規制枠組みでは、銀行や証券会社と同様の資本基準が仮想通貨企業にも適用される方向だ。
国内の仮想通貨市場は拡大を続けており、25年2月時点で約1200万口座が開設されている。特にビットコイン(BTC)など主要銘柄への関心が高く、市場をけん引している。
この方針転換の背景には、22年に発生した海外大手取引所FTXの破綻がある。これを機に、仮想通貨海外取引所を利用する際のリスク管理が再評価されるようになった。
世界的にも投資家保護の重要性が高まっており、各国で規制強化の動きが加速している。EUや香港では、同様の安全網の整備が進んでいる。
金融庁も、国内の仮想通貨利用者の増加を踏まえ、万が一の事態に備えた資産保護体制の構築を急いでいる。
弁済原資の規模と制度の見通し
義務付けられる弁済原資の規模は、取引量や過去のセキュリティ事故などに基づいたリスク評価によって決定される予定だ。証券会社では、20億~400億円程度の確保が求められている。
金融庁は、弁済原資の一部を損害保険で代替することも検討しており、柔軟な制度設計を目指している。
新制度では、従来のコールドウォレット管理に加え、さらなる安全性の確保が図られる。また、企業保有資産と顧客資産の分別管理も引き続き義務付けられる。
新たな法案は26年の通常国会に提出される予定で、施行が見込まれている。
この規制により、日本の仮想通貨市場は世界でも高水準の利用者保護体制を整えた信頼性の高い市場を目指す。
