仮想通貨取引所のFTX(エフティーエックス)は17日、債権者に対する約9億ドル(約1,458億円)規模の第5回分配を31日に開始すると発表した。
債権者への支払い状況と対象者
今回の分配対象となるのは、6月16日までに本人確認などの事前手続きを完了した債権者だ。
支払いはBitGo(ビットゴー)やKraken(クラーケン)などの指定業者を通じて行われる。31日から数えて1から3営業日以内に、対象者の口座へ資金が到着する見込みとなっている。
今回の分配を経て、多くの債権者が当初の請求額を上回る資金を回収することになる。
国際向けのドットコム顧客や米国顧客の累積回収率は、105%に達する。また、一般無担保債権などの累積回収率も103%となる予定だ。
さらに、5万ドル(約810万円)以下の少額債権者については、累積回収率が120%まで上昇する。
破綻時の評価額を上回る高い回収率は、その後の暗号資産(仮想通貨)の価格上昇などが背景にあると考えられる。
市場ではアルトコインシーズンの到来を期待する声も高まっている。また、人工知能(AI)関連銘柄の躍進も市場全体を牽引した。
債権者にとって、予想以上の資金が戻ることは前向きな材料といえる。
優先株主への支払いと詐欺への警戒
債権者への分配と並行して、優先株主に対する第2回支払いも31日に実施される。支払額は1,800万ドル(約29億1,600万円)となり、指定の条件を満たした株主が対象だ。
今後の分配を確実に受け取るためには、各回の基準日までに所定の手続きを完了する必要がある。
同社は次回の基準日や支払日について、準備が整い次第、後日改めて案内するとしている。
継続的な支払いが行われる中で、分配手続きに便乗した悪質なフィッシング詐欺への警戒も強く呼びかけている。
同社を装った不審なメールやウェブサイトが複数確認されているという。公式の案内では、手続きにおいて個人のウォレット接続を求めることは絶対にないと強調している。
仮想通貨の初心者は、焦って不審なリンクを踏まないよう特に注意が必要だ。大切な資金を受け取る際は、公式の情報を慎重に確認し、安全に手続きを進めることが重要となる。
受け取った資金を価格変動の少ないステーブルコインで保管するのも一つの有効な手段である。
