米国のRO Inc.が手がける暗号資産(仮想通貨)担保ローンサービス「Clend(クレンド)」は2026年6月、ロードマップに基づく一部サービスを先行ローンチしました。
全面的なプラットフォーム展開を急がず、まずは仮想通貨を担保にUSDCまたはJPYCの2種類のステーブルコインを借り入れるという、最も投資家ニーズの高い特化型融資サービスから開始するアプローチは、プロジェクトの堅実性を物語っています。
税効率を最大化する「売らない」流動性確保
Clendのファンダメンタルズ的な価値は、仮想通貨を売却することなく手元に流動性を生み出せる点にあります。
日本を含む多くの国では、仮想通貨を売却して利益が確定した瞬間に高額な課税(最大55%の総合課税など)が発生しますが、Clendを利用した借入は課税イベントに該当しません。
投資家は将来的な値上がり益を維持したまま、即座に必要なステーブルコインを手に入れることができるため、非常に高い税効率を誇ります。
既存の巨人「Nexo」をベンチマークした明確な競争優位性
同プロジェクトを評価する上で特筆すべきは、レンディング業界の巨人である「Nexo」などの既存サービスに対する圧倒的な優位性です。
Clendは先行提供の段階から、BTC、ETH、XRP、SOLをはじめとする25種類以上もの豊富な仮想通貨を担保として受け入れています。
そして、これら主要資産におけるLTV(担保掛目)は、Nexoを上回る最大60%などの高い水準を提示しています。
さらに重要な評価ポイントは、独自トークンに対する依存度の低さです。
Nexo等の競合プラットフォームでは、最高のLTVや低金利の条件を適用するために、ポートフォリオ内に独自のプラットフォームトークンを保有することを義務付けており、これがユーザーに余計な価格変動リスク(トークンの暴落リスクなど)を与えていました。
しかし、Clendには特定のトークンを保有する要件が一切課されていません。
すべてのユーザーが独自トークンのリスクを背負うことなく、最初から一律で固定の好条件かつ好金利で融資を受けられる仕組みは、極めてクリーンで評価に値します。
強制精算排除によるリスク管理の最適化
投資家保護の観点から、Clendの清算ルールは非常に合理的に設計されています。
短期的なボラティリティによって発生する日々の強制清算は行われず、純粋にLTVが定められた清算閾値(通常資産で90%、ステーブルコイン担保で95%)に達したときのみ清算がトリガーされます。
これにより、瞬間的なフラッシュクラッシュによる不本意な資産喪失からユーザーが保護されます。
また、毎月の金利支払いは不要で、利息は借入残高に自動加算(複利計算)され、返済時に一括清算する形をとっており、ユーザーの運用柔軟性を高めています。
現状はUSDCとJPYCの2通貨に絞ることで安全な運用体制を固めていますが、これはあくまでプロジェクトの第一歩に過ぎません。
今後は公式ロードマップに従い、さらに多様な分散型・中央集権型金融サービスや機能を順次拡大していく計画が示されており、長期的な成長ポテンシャルは極めて高いと結論づけられます。
