マウントゴックス、9億3000万ドル相当のビットコイン移動

マウントゴックスは11日、9億3000万ドル（約1376億4000万円）相当のビットコイン（BTC）を移動させた。これは2025年10月末に迫った債権者への最終的な返金に向けた準備の一環とみられる。

かつて世界最大級の暗号資産（仮想通貨）取引所だったマウントゴックスは2014年、約85万BTCの喪失を伴う大規模なハッキング事件後に破綻。以来、同取引所は債権者への返済に向けた再生手続きを進めてきた。

返金期限の延長と巨額資産の保有状況

当初、支払いは2024年10月までに完了する予定だったが、債権者が返金に必要な手続きを完了するための時間をより確保するため、期限は2025年10月31日まで延長された。

現在、マウントゴックスの仮想通貨ウォレットには約29億ドル（約4292億円）相当の資産が保管されており、これらは今年後半に債権者へ分配される予定だ。同取引所の管財人である小林信明氏が、この返済プロセス全体を管理している。

マウントゴックスの返済には、大量のビットコインが市場に流入する可能性があり、売却圧力が高まる恐れがある。これはBTC価格全体に影響を与える可能性がある。

しかし、債権者が資産をすぐに売却せず保有することを選択した場合、この影響は緩和される可能性がある。多くのアナリストは、返済が分散した形で行われることや債権者による売却の遅延の可能性から、市場が急激な下落を経験しない可能性があると予想している。

経済状況、予定されている規制上の決定、地政学的な出来事など、他の市場要因も暗号通貨市場の全体的な安定性に影響を与える可能性がある。

マウントゴックスによる9億3000万ドル相当のビットコインの最近の移動は、今後予定されている債権者への支払いの準備を示している。この行動は、返済期限までに必要なすべての手順を確実に完了するための全体計画の一部だ。

マウントゴックスが保有する資産は相当量のBTCを代表しており、その放出は市場心理に影響を与える可能性がある。しかし、返済の分散的な性質と債権者による売却の遅延の可能性により、市場は急激な下落を経験しない可能性があるとの見方もある。

10年以上にわたるマウントゴックス破綻処理の終盤を迎え、仮想通貨市場関係者は今後の動向に注目している。