イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は5日、新たな長期ロードマップを発表した。
耐量子性とスケーラビリティの向上
今回のロードマップは、初期の立ち上げや過去の大型アップグレードに次ぐ、第3の重要な進化と位置付けられている。2030年頃までの複数年にわたる計画であり、段階的なアップグレードを通じて実装される予定だ。
既存のアプリケーションやウォレットは、ユーザー側での移行作業なしにそのまま利用できる。
「Lean Ethereum(リーン・イーサリアム)」と呼ばれるこの計画は、シンプルさやスケーラビリティなど5つの優先事項を掲げている。
特に耐量子性は最重要課題の一つであり、2029年頃までに基盤となるインフラを新たな暗号技術へ移行する計画だ。
将来的な量子コンピューターの脅威からネットワークを保護し、長期的な安全性を確保する狙いがある。
また、プロトコル自体に再帰的STARK検証と呼ばれる技術を直接組み込む方針が示された。これまでは各ノードがすべての取引を再実行していたが、今後はコンパクトな証明を検証する仕組みに変わる。
検証コストが大幅に削減され、イーサリアムネットワーク全体の処理能力が飛躍的に向上する見込みだ。
ガス代の大幅削減と今後の展開
ロードマップのもう一つの目玉は、取引手数料(ガス代)の大幅な削減に向けた取り組みだ。2030年までに、トークンやNFTなどの高頻度な資産向けに、新しいデータ管理の仕組みを導入する。
日常的な取引にかかるコストが現在の10分の1以下に抑えられると期待されている。
さらに、計算やストレージなどのリソースごとに手数料を個別に設定する、多次元ガス価格設定も導入される。より効率的なリソース配分が可能となり、特定の処理にかかる負担が軽減される。
プライバシー保護もプロトコルレベルでの重要課題に引き上げられ、新たな仮想マシン設計の探求が進められている。
並行して、2026年8月下旬頃には「Glamsterdam(グラムステルダム)」と呼ばれるアップグレードも予定されている。
このアップグレードでは、ブロックのガスリミットが大幅に引き上げられ、取引の並列処理がサポートされる。
