大統領デジタル資産諮問委員会のパトリック・ウィット氏は6日、米国政府の戦略的ビットコイン準備金(SBR)の詳細を数週間以内に発表すると明らかにした。
トランプ政権下で設立された準備金
マイアミで開催されたカンファレンスで、ウィット氏はSBRの運用に関する最新情報を近く公開すると述べた。現在、保管方法や在庫状況についての厳格な監査が進行中だという。
SBRは、ドナルド・トランプ大統領が2025年3月に署名した大統領令によって設立された。
犯罪や民事事件で押収された暗号資産(仮想通貨)のうち、ビットコイン(BTC)を保管する専用口座を財務省に設けるよう指示している。
政府はビットコインを2,100万枚という発行上限や高いセキュリティ実績から、「デジタルゴールド」のような国家準備資産として位置づけている。
各政府機関は保有するビットコインをSBRに移管し、売却せずに政府の目的のために維持することが求められている。現在の保有量は19万8,000から32万8,000 BTCと推定されており、その価値は160億から266億ドルに上る。
なお、ビットコイン以外の仮想通貨は別途設けられた備蓄庫で管理されている。
過去の課題と今後の法整備
SBR設立の背景には、過去の仮想通貨管理における深刻な課題がある。これまで押収された資産が市場で投げ売りされ、納税者に170億ドル以上の損失をもたらしたと指摘されている。
また、各機関による管理が分散していたことや、2025年後半に発生した連邦保安官局での6,000万ドル規模のハッキング事件など、セキュリティ上の懸念も制度見直しの要因となった。
現在、米国議会ではSBRを法制化するための動きが活発化している。
上院のBITCOIN法や下院のARM法などを通じて、予算に影響を与えずにビットコインを取得する権限を承認し、2026年第4四半期からの購入開始を目指している。
没収手続きの確定や被害者への返還など法的な複雑さが運用の遅れを招いているものの、米国は「世界の仮想通貨の首都」としての地位を確立するため、戦略的な取り組みを強化している。
納税者の資金を投入することなく、国家としての競争力を高める狙いがある。
