ドナルド・トランプ大統領の暗号資産(仮想通貨)評議会は12日、パトリック・ウィット氏を新たな事務局長に任命したことが判明した。
今回の人事は、2024年12月から約8か月間同職を務めたボー・ハインズ氏の辞任に伴うものだ。
ハインズ氏はX(旧Twitter)で辞任を表明し、在任期間を生涯の名誉と振り返っている。
Serving in President Trump’s administration and working alongside our brilliant AI & Crypto Czar @DavidSacks as Executive Director of the White House Crypto Council has been the honor of a lifetime. Together, we have positioned America as the crypto capital of the world. I’m…
— Bo Hines (@BoHines) August 9, 2025
ハインズ氏の後任として政策の継続性を強調
ウィット氏はこれまで仮想通貨評議会の副局長を務めており、今回の昇進で政権の仮想通貨政策を主導することになる。
この人事は、米国経済政策の一環としてデジタル資産を重視する、政権の戦略的アプローチの継続を示すものと見られる。
複数の信頼できる情報源がウィット氏の就任を報じている。しかし、一部ではホワイトハウスからの公式な確認はまだ出ていないと指摘されている。
「戦略的ビットコイン準備」構想の進展に注目
指導部の交代は、米国の仮想通貨政策が重要な局面を迎える中で行われた。
前任のハインズ氏は在任中、「戦略的ビットコイン準備(SBR)」構想の推進に中心的役割を果たしてきた。これは、政府が保有するビットコイン(BTC)の規模を拡大するための戦略だ。
後任のウィット氏もこの構想に賛同しており、6月のビットコイン政策サミットでは「すでにいくつかの措置を講じた」と述べ、蓄積計画の必要性を強調した。この発言は、SBRが具体的な実行段階に移行しつつあることを示唆している。
ウィット氏は、デジタル資産を現代の国家戦略の重要なツールであり、経済成長を促すエンジンと位置づけており、米国が次世代の金融システム構築を主導すべきだとの考えを持つ。
政権も現在、デジタル資産市場明確化法案の可決や、技術革新と消費者保護の両立を図る規制枠組みの整備を進めている。
国防総省やトランプ政権の首席補佐官代理などを歴任したウィット氏は、多様な経歴を持つ一方で、前任者と比べると仮想通貨分野での直接的な経験は限定的と見られている。
そのため、同氏の下でビットコイン以外のアルトコインに対する規制方針がどのように変化するかも注目される。
評議会は今後も、政権のAI・仮想通貨最高責任者であるデビッド・サックス氏の監督下で運営される。
市場関係者によれば、過去のリーダー交代が市場に大きな影響を与えたのは、具体的な規制措置が伴った場合に限られる。しかし、ウィット氏がSBR蓄積計画に具体的に言及した事実は、政策が加速する可能性を示している。
今回の人事は、米国を世界の仮想通貨革新の最前線へ押し上げようとするトランプ政権の強い意思を改めて示す出来事となった。
