暗号資産(仮想通貨)トレジャリー企業ビットマインのトム・リー会長はこのほど、ビットコイン(BTC)の従来の4年周期が崩れつつあるとの見解を示した。
リー氏は仮想通貨起業家アンソニー・ポンプリアーノ氏とのインタビューで、ビットコイン市場はより長期的なサイクルに入っている可能性があると指摘している。
これまで市場では、半減期の12〜18カ月後に価格がピークに達するとの見方が一般的だった。
しかしリー氏は、こうした予測はしばしば外れるとしたうえで、価格の動きは半減期よりもマクロ経済や機関投資家の動向と強く連動していると説明。
この発言は、半減期サイクルを重視してきたリー氏自身の分析方針の変化を示すものとなった。
ETFが変える市場ダイナミクス
周期が長期化する主な要因として、リー氏は機関投資家による現物ビットコインETFへの関与を挙げた。これにより、ビットコインの市場力学が根本的に変化していると説明する。
同氏は「流動性、技術導入、参加者の関係性が根本的に変わった」と述べた。その結果、ビットコインは半減期のカレンダーよりも世界的な流動性と密接に連動するようになったという。
業界レポートによれば、世界的な流動性状況は2023年半ばから良好に推移している。また、デジタル資産に対する米国政府の支援拡大など、政治情勢の変化も市場力学に影響を与えている。
さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な姿勢と利下げの可能性が、ビットコインのようなリスク資産を間接的に支援する環境を生み出している。
強気相場でも50%の調整を警告
長期的な強気市場を予測する一方で、リー氏は根強いボラティリティについて強い警告を発した。「ビットコインが50%の調整を経験することは確実だ」と断言している。
同氏は株式市場との比較で、「S&P500が20ポイント下落すれば、ビットコインは40ポイント下落する可能性がある」と説明。株式市場で25%規模の調整がより頻繁になっていることを指摘した。
この慎重な見方とは裏腹に、同氏は以前、ビットコインが2025年までに25万ドルに達する可能性を予測している。その根拠として、米国政府による戦略的準備資産としての一部保有や、マイクロストラテジー社のような企業による採用拡大を挙げた。
この見解は、リアルビジョンのラウル・パル氏など他の著名アナリストとも一致する。市場参加者にとっては、ビットコイン半減期のみに依存した従来の戦略を見直し、マクロ経済指標や機関投資家の動向を組み込んだアプローチが求められることになりそうだ。
