ストラテジー社のマイケル・セイラー執行会長は5日、同社の積極的なビットコイン(BTC)購入戦略を一時停止することを明らかにした。
同氏はこれを新たなオレンジドットはないと表現し、これまでの戦略からの大きな転換を示唆した。
オレンジドットとは、同社がビットコイン購入履歴を公開しているチャート上で、各購入をオレンジ色の点で示していることに由来する。
No new orange dots this week — just a $9 billion reminder of why we HODL. pic.twitter.com/P84m14WF3G
— Michael Saylor (@saylor) October 5, 2025
記録的な保有額と戦略転換の背景
ビットコイン関連サイトBitcoin treasuriesのデータによると、同社は7月8日時点で約59万7325BTCを保有している。
その価値は10月初旬までに過去最高の790億ドルに達していた。
この発表は、企業財務における暗号資産(仮想通貨)戦略の先駆者である同社にとって、重要な方針転換となる。
ストラテジー社はこれまで、負債や株式発行を通じて資金を調達し、その資金でビットコインを購入するビジネスモデルを構築した。
機関投資家による仮想通貨導入の試金石となっていた。
同社の戦略は多くの企業に影響を与えた。
BitcoinTreasuries.netが9月22日に報じたデータによると、上場企業が保有するビットコインは総額1080億ドルを超え、総供給量の約4.7%を占めている。
株価下落と市場の動揺が影響か
複数の要因が同社の戦略転換を促している。
代表的なビットコイン関連株として知られる同社だが、9月に株価が15%下落し、ビットコイン保有価値へのプレミアムが大幅に縮小した。
さらに、主要な資金調達手段と見込んでいた優先株の発行が需要不振に終わり、調達額は目標を大きく下回る4700万ドルにとどまった。
この結果、以前の公約に反して普通株の発行に戻らざるを得なくなり、投資家の信頼を揺るがした。
ビットコイン価格が主要な抵抗線を下回るなど、市場環境の停滞も一因となっている。
計画していた転換社債から優先株への移行が困難になった。
このため同社は、ビットコインの追加購入から、保有資産を担保にした金融商品の開発など、金融工学を通じた活用へと戦略の焦点を移行した。
企業によるビットコインの今後の保有の動きは、大きな節目を迎えている。
