世界最大のビットコイン(BTC)保有企業ストラテジーのフォン・ルCEOは3日、市場の不確実性が高まる中で、同社の財務戦略とBTC保有方針について見解を示した。
配当義務と資産売却の数学的条件
ストラテジーは、発行済みの優先株に関連して年間7億5000万ドル〜8億ドルの多額の配当支払い義務を抱えている。
ル氏はブルームバーグのインタビューで、「同社の財務モデルは株価のプレミアム、つまり純資産価値(NAV)に対する上乗せ価格を活用した資本調達に依存している」と述べた。
通常、配当はこの調達資金によって賄われ、BTCの保有量を増やす循環が生まれている。
ただし、ル氏はBTC売却の選択肢が浮上する特定の条件についても触れた。
同氏によれば、BTCの売却が数学的に正当化されるのは、同社の株価倍率が純資産価値を下回り、かつ資本市場から新たな資金調達が不可能となった場合に限られる。
この判断は1株あたりのBTC利回りを保護するための最後の手段とされる。
また、株価のプレミアムが消失するような極端な状況下では、希薄化を招く新株発行よりも資産売却を選ぶ方が既存株主にとって合理的だとル氏は説明。
市場環境に応じた柔軟な対応を想定しつつも、基本的にはBTCの蓄積を優先する姿勢を堅持している。
弱気相場への備えと長期的コミットメント
ル氏は、弱気相場でも配当を継続することが投資家の信頼につながると強調。四半期ごとの安定した配当実績を通じて、同社モデルの持続可能性を示そうとしている。
同社は最近、BTCの価格下落による投資家の懸念を払拭するため、「BTCクレジットダッシュボード」を公開した。
このダッシュボードによると、BTC価格が同社の平均取得価格である約7万4000ドルまで下落しても、さらには2万5000ドルという水準まで落ち込んだとしても、同社の債務構造には影響しないという。
ル氏は「BTCを売る会社にはなりたくない」と述べ、極度の財務的ストレスが生じない限り保有を継続する意向を明確にした。
現在、ストラテジーは約450億ドル相当のBTCを保有している。22年にCEOに就任したル氏の下で、マイケル・セイラー創業者はBTC戦略に専念する体制が構築されている。
同社は今後も転換社債やBTC担保債務など、多様な手法による資本調達を通じて、BTC経済圏の拡大を目指す方針だ。
こうした大規模運用モデルは、仮想通貨投資の新たなスタンダードとなりつつある。
