現実資産トークン化大手のセキュリタイズは29日、世界最大の証券代行機関であるコンピューターシェア(Computershare)との提携を明らかにした。
米国株式市場のトークン化に向けた大きな一歩
今回の合意により、米国の上場企業は資本構造を変更することなく、トークン化された株式を発行できるようになる。このトークンは発行体主導トークン(IST)と呼ばれ、従来の米国株式や直接登録システム(DRS)の株式と並行して扱われる。
ISTは派生商品や代替品ではなく、ブロックチェーン上に直接記録される実際の株式そのものだ。既存の米国の規制枠組みに完全に準拠して発行されるため、法的な裏付けも確保されている。
コンピューターシェアは証券代行機関として、株主名簿の管理や配当金の支払い、株式分割などのコーポレートアクションを担う。
さらに、発行体と株主の間の直接的なコミュニケーションも同社が処理する。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術であるブロックチェーンが、米国の証券バックオフィスシステムの中核に本格的に導入される形だ。
数百万人の投資家にとって、オンチェーンでの決済や送金が今後大きく加速する可能性がある。
24時間取引や分散型金融での活用に期待
コンピューターシェアは、アップルやテスラ、エヌビディアなど、S&P500企業の約58%を含む2万5000社以上にサービスを提供している。
この巨大な顧客基盤により、70兆ドル規模の米国株式市場全体でトークン化が急速に拡大する基盤が整った。
従来の「ラップされた株式」モデルを避け、真のオンチェーン株式を実現することで、多くの利点が生まれる。24時間365日の取引が可能になるほか、ウォレットの統合や分散型金融(DeFi)での融資利用など、新たな用途が期待される。
株主としての経済的な権利を維持したまま、世界中からアクセスできる点も大きな特徴だ。特定の銘柄への実装はまだ行われていないが、インフラの全面的な見直しを必要とせずに導入を進める道が開かれた。
セキュリタイズは2026年上半期に事業統合を完了する予定であり、公開市場での展開力をさらに高めていく構えだ。
