ロシア中央銀行のウラジミール・チスチューヒン第一副総裁は5日、一般投資家が取引できる暗号資産(仮想通貨)を3銘柄に制限する方針を明らかにした。
非適格投資家(一般投資家)が取引できる仮想通貨を、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、USDTの3銘柄に限定するという。
これらの資産は流動性が最も高く、ロシアの法律で定められる基準を満たしているため選定された。
取引可能な銘柄は3種類に限定
この措置は、ロシア国家ドゥーマ(下院)で第一読会を通過した新しい「デジタル通貨とデジタル権利」に関する枠組みの一環だ。
新法は2026年7月1日頃に発効する見通しとなっている。チスチューヒン氏は、法律の施行後の初期段階において、業界からの要望があったとしても対象銘柄を拡大する意図はないと強調している。
規制当局は、仮想通貨が高リスクで価格変動の激しい金融商品であると指摘している。一般投資家を保護し、システム全体のリスクを抑えることが今回の制限の主な目的だ。
また、USDTについては、発行元によってウォレットが凍結されるリスクがあることも警告している。
年間購入額の上限も設定
新たな規制案では、一般投資家に対する取引額の制限も設けられる。
1つのブローカーや取引所を通じた仮想通貨の年間購入上限額は、30万ルーブル(約4,000ドル)に設定される予定だ。この上限設定は、一般投資家が規制された経路を通じて多額の仮想通貨を購入することを防ぐ狙いがある。
一方で、適格投資家やプロの投資家は、ビットコインやイーサリアム以外の幅広い仮想通貨にアクセスできる見込みだ。
ただし、モネロ(XMR)やジーキャッシュ(ZEC)のような匿名性の高い銘柄は、すべての投資家に対して禁止される方針となっている。
また、リップル(XRP)やソラナ(SOL)などの人気銘柄も、初期段階では一般投資家の取引対象から外れる。
ロシア当局は仮想通貨を完全に禁止するのではなく、投資家のステータスに応じた階層的なアクセスシステムを構築しようとしている。
国境を越えた取引や税収を支援するための管理された経路を確保する狙いがある。将来的に対象銘柄が見直される可能性はあるものの、当面は市場や規制環境の変化を見極める方針だ。
