ブロックチェーン開発企業のポリゴン(Polygon)は12日、イタリアの主要空港でUSDCを利用した免税払い戻しサービスを導入すると発表した。
五輪に向けた新たな決済体験
ポリゴンは、タックスフリーショッピング大手のグローバルブルー(Global Blue)と提携し、イタリアのミラノ、ローマ、ヴェネツィアの各空港で新サービスを提供する。
この取り組みは、2026年2月に開催される冬季オリンピックの期間中に実施される予定だ。海外からの旅行者は、付加価値税(VAT)の払い戻しを米ドル連動型ステーブルコインである「USDC」で即座に受け取ることが可能になる。
従来の免税手続きでは、クレジットカードへの返金や現金での受け取りが一般的だった。しかし、これらの方法では処理に時間がかかったり、空港の窓口で長い列に並ぶ必要があったりする。
今回のシステム導入は、こうした旅行者の負担を軽減し、よりスムーズな体験を提供することを目的としている。特にオリンピック期間中は多くの観光客がイタリアを訪れるため、空港での混雑緩和にも効果が期待される。
利用者は、自身のデジタルウォレットに直接USDCを受け取ることができるため、帰国後の外貨両替の手間も省ける。事前にポリゴンウォレットなどの対応アプリを準備しておくとよいだろう。
グローバルブルーは免税手続きの分野で世界的なシェアを持っており、同社のインフラとポリゴンの技術を組み合わせることで、信頼性の高いシステムを構築する。この提携は、既存の金融システムとデジタル資産の融合を加速させる動きと言える。
実社会でのブロックチェーン活用
今回の事例は、ブロックチェーン技術とステーブルコインが実際の商取引においてどのように活用できるかを示す重要なモデルケースとなる。
ポリゴンのネットワークを利用することで、高速かつ低コストでのトランザクション処理が可能となり、利用者は待ち時間を大幅に短縮できる。透明性の高いブロックチェーン上で処理されるため、手続きの安全性も確保される。こうした実需の拡大に伴い、ポリゴン仮想通貨の将来性にも期待が寄せられている。
暗号資産(仮想通貨)市場では、投機的な側面だけでなく、こうした決済や送金といった実需面での利用拡大が注目されている。ステーブルコインは価格変動が激しい他の仮想通貨とは異なり、法定通貨と価値が連動しているため、日常的な決済手段としての適性が高い。
代表的なステーブルコインにはUSDTなどもあるが、今回はUSDCが採用された。1ドルは約154円(記事執筆時点)で推移しており、米ドルにペッグされたUSDCは国際的な利用において安定した価値を提供する。
空港という公共性の高い場所で、かつ大規模な国際イベントに合わせて導入されることは、業界全体にとっても大きな一歩となるだろう。
今後、他の国や地域でも同様のシステムが採用される可能性があり、旅行業界における決済手段の多様化が進むと見られる。ポリゴンはこのプロジェクトを通じて、ステーブルコインの実用性を広くアピールしていく方針だ。
