米ニューハンプシャー州、ビットコイン担保債の発行案を否決

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ニューハンプシャー州議事堂に押し潰されるビットコインロゴ、否決された債券案の象徴

ニューハンプシャー州行政委員会は8日、1億ドル(約162億円)規模のビットコイン担保債の発行案を否決した。

世界初となるはずだったビットコイン地方債

同州のビジネス金融局(BFA)は、仮想通貨のビットコイン(BTC)を担保とする導管債の発行を提案していた。承認されれば、世界初のビットコインを担保とする地方債となる予定だった。

借り手は仮想通貨マイニング企業のクリーンスパーク(CleanSpark)に関連する事業体で、カストディアンはビットゴー(BitGo)が務める計画だった。

この債券は、発行額の約160%に相当するビットコインを担保として預ける仕組みを採用。

担保価値が130〜140%に低下した場合は自動的に清算され、債券保有者に資金が返還される設計となっていた。

BFAは、納税者の資金や州の財源には一切影響を与えないと強調していた。債務不履行のリスクは、完全に借り手と担保に依存する形をとっていた。

否決の背景と今後の影響

計画はケリー・アヨット知事の支持を得ており、手数料やビットコインの値上がり益を州の経済開発基金に充てる構想もあった。

この基金を通じて、中小企業支援や住宅問題などの経済対策に貢献することが期待されていた。知事は、同州を責任ある仮想通貨金融の世界的リーダーにする機会だと述べていた。

しかし、格付け機関のムーディーズ(Moody’s)は、同債券に対して投機的格付けである「Ba2」を付与。

ビットコインの激しい価格変動リスクや、単一の企業に依存する構造が懸念材料として指摘されていた。価格が急落した場合、自動清算が発動して市場に影響を与える可能性も考慮された。

最終的な承認権限を持つ行政委員会での公聴会を経て、5人の委員による投票が行われた。結果は賛成2、反対3となり、発行案は正式に否決された。

革新的な金融手法として注目を集めたものの、公共の利益やリスクに対する懸念が払拭しきれなかったとみられる。

今回の決定は、公共部門が仮想通貨を金融市場に統合する際のハードルの高さを示す結果となった。

一方で、民間企業ではメタプラネットのように暗号資産を準備資産とする動きも加速している。また、ステーブルコインを活用した新たな決済手段の導入など、技術革新の波は止まらない。

著者: 滑川 翼

日本版ICOBenchライター。2021年から仮想通貨に興味を持ち、ビットコインやイーサリアムの投資を開始。複数の仮想通貨メディアで執筆を経験し、現在も継続中。仮想通貨やミームコインなど、WEB3領域を得意とする。