米ニューハンプシャー州事業金融局(NHBFA)は3月30日、約1億ドル規模のビットコイン(BTC)を担保とした地方債を発行する計画を明らかにした。
世界初となる仮想通貨担保型の地方債
今回の計画は、2025年11月に基本構造が承認されており、現在は州知事および行政評議会の最終承認を待っている段階だ。
発行される地方債は、州の信用や税金を裏付けとしない独自の仕組みを採用している。
債券の返済は、担保となる暗号資産(仮想通貨)からの収益によって完全に賄われる設計となっている。納税者に一切のリスクを負わせることなく、新たな資金調達の手段を確立する狙いがある。
また、事業金融局が得た手数料収入は、州内のビジネス成長や技術革新を支援する専用の基金に充てられる予定だ。
関連企業として、ウェーブ・デジタル・アセッツやローズモア・マネジメントなどが今回の取引に深く関与している。
担保となるビットコインは、規制に準拠した安全なコールドストレージで厳重に管理される。
この重要なカストディアン(保管業務)は、業界大手のビットゴー・トラスト・カンパニーが担当する。
価格変動リスクへの対策
大手格付け会社のムーディーズは、この画期的な地方債に対して「Ba2」という暫定格付けを付与した。これは一般的な適格水準から2段階低い、いわゆる投機的等級に位置づけられる評価だ。
仮想通貨特有の激しい価格変動リスクや、サービス提供者の運営体制などが総合的に考慮された結果となっている。
債権者を保護するため、発行時には借入額に対して1.6倍の担保を設定する厳格な措置が講じられている。
さらに、担保価値が借入額の1.4倍程度まで下落した場合には、早期償還や清算を行うトリガー条項も設けられた。これらの安全策を通じて、市場価格が急落した際でも確実な債務返済が保護される仕組みが整っている。
ニューハンプシャー州は、米国で初めて仮想通貨の準備金保有を認めるなど、先進的で柔軟な法整備を進めてきた。今回の取り組みは、公共金融における仮想通貨活用の重要な先例となる可能性を秘めている。
このような動きは、民間における仮想通貨担保ローンの普及にも影響を与えるだろう。
同州は今後も、責任あるデジタル金融分野のリーダーとしての地位を確固たるものにしていく方針だ。
