暗号資産(仮想通貨)ウォレット大手のメタマスクは6日、分散型アプリ(dapp)での繰り返しの署名を不要にする新機能「Advanced Permissions」を導入した。
署名疲れを解消する新機能
この新機能は、メタマスクの「Smart Accounts Kit」の一部として提供される。
ERC-7715という標準規格に基づいて構築されている。仮想通貨ウォレットで頻繁に求められるトランザクション署名による、ユーザーの承認疲れを解消することが目的だ。
従来はすべての取引で明示的な署名が必要だったため、ポップアップが繰り返し表示されていた。これにより、ユーザーが内容を十分に確認せずに習慣的に承認してしまう問題があった。
新機能では、人間が読みやすい画面を通じて、1回の承認でdappに権限を付与できる。
付与される権限は、資産の種類や金額、期間、有効期限などが限定されたものだ。dappが制御するセッションアカウントが、この制限内でユーザーに代わってアクションを実行する。
ユーザーの資金を直接保持することはないため、安全性が保たれている。
多様なサービスの実現を後押し
権限の行使はERC-7710という委任規格を通じて行われる。スマートアカウントのコントラクトによってブロックチェーン上で強制され、範囲外の取引は自動的に拒否される。
この機能を利用するには、メタマスクのスマートアカウントへの移行が必要となる。
これまで範囲を限定した権限の標準規格がなかったため、特定のサービスを提供することが困難だった。新機能により、サブスクリプションやドルコスト平均法(DCA)による自動購入などが容易になる。
AIエージェントの活用やトークンの段階的なロック解除なども安全に行えるようになる。
サポートされる権限には、許容量を定期的にリセットする機能や、古い承認を整理する機能が含まれる。ユーザーは許可された範囲内で設定を調整でき、接続画面からいつでも権限を取り消すことが可能だ。
この機能は、イーサリアム(ETH)のメインネットやアービトラム(ARB)、ポリゴン(POL)などの主要なネットワークで利用できる。
従来の無制限の承認とは異なり、範囲が限定され、いつでも取り消し可能な柔軟な運用を実現している。
