決済大手マスターカードは27日、ニューヨーク州金融サービス局から暗号資産(仮想通貨)事業の認可を取得したことを明かした。
厳しい規制をクリアし事業拡大へ
マスターカードの子会社は、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から「BitLicense(ビットライセンス)」を取得した。
2015年に導入されたこの制度は、米国で最も厳しい州レベルの仮想通貨規制の一つとして知られている。
仮想通貨の保管や交換、送金、発行などの幅広い業務を対象としている。
マスターカードは、今回の認可取得がデジタル資産と決済インフラへの関与における戦略的な一歩だと説明した。同社は今後、米ドル建てステーブルコインやトークン化された銀行預金などのデジタル通貨に焦点を当てる方針だ。
既存のグローバルなカード決済ネットワークを支えるセキュリティやコンプライアンス基準を、仮想通貨の分野にも適用していく。
伝統的な決済ネットワークが厳しい規制下でデジタル資産インフラを運営できるようになる。これは業界にとって大きな節目と受け止められている。
ライセンスの維持には、多額の監査費用や人件費がかかる。それでもマスターカードが取得に踏み切った背景には、ニューヨーク市場の重要性がある。
同社は仮想通貨アプリから長期的な収益を見込んでおり、競合他社に後れを取らないための重要な一手でもある。
ステーブルコイン決済の普及に期待
NYDFSは、仮想通貨やステーブルコインの主要企業に対し、銀行と同等の厳しい監督を行っている。準備金の管理やリスク対策、消費者保護を徹底することが目的だ。
ステーブルコインの発行者には裏付け資産の1対1での保有を義務付け、利用者がいつでも安全に資金を引き出せる環境を整えている。
マスターカードはこれまで、デジタル資産やブロックチェーン技術の構築を段階的に進めてきた。今回の認可取得で、ステーブルコインを自社の決済フローに統合する道が開かれた。
銀行預金とステーブルコインの交換や、金融機関向けのインフラ提供も視野に入れている。
現在、企業や店舗の間でブロックチェーンを活用した決済への関心が高まっている。マスターカードのような世界的ネットワークが参入することで、銀行や金融テクノロジー企業間の連携がスムーズになる。
厳しい審査を通過したことは同社の高い信頼性を証明しており、仮想通貨決済のインフラ整備がさらに進むと期待されている。
