資産運用企業グレースケールのリサーチ部門はこのほど、ソラナ(SOL)を暗号資産(仮想通貨)の金融バザールと位置づける包括的な報告書を明らかにした。
同報告書によると、ソラナは現在、DEXのRaydiumやミームコイン作成基盤のPump.funなど、著名なアプリケーションの基盤インフラとして機能している。
その他にも、DEXアグリゲーターのJupiterや分散型ワイヤレスネットワークのHeliumなどが含まれる。
驚異的なパフォーマンスとエコシステムの成長
ソラナエコシステムは、月間約4億2500万ドルの手数料収益を生み出しており、年間では50億ドルを超える規模になる。
ネットワークは400ミリ秒ごとにブロックを生成し、取引の最終確定は約12〜13秒で完了するなど、卓越した性能指標を示している。
取引コストも平均手数料が0.02ドルと極めて低く、特定の高需要アプリに混雑を限定するローカル手数料市場によって実現されている。
また、ソラナの開発者エコシステムは1000人以上のフルタイム開発者を擁するまでに成長した。これは主要アルトコインではイーサリアム(ETH)に次ぐ規模だ。
グレースケールは、ソラナの開発者コミュニティが「過去2年間で他のどのレイヤー1プラットフォームよりも速く拡大した」と特記した。
報告書は、取引の最終確定時間を100〜150ミリ秒に短縮することを目指す、今後のネットワークアップグレードであるAlpenglowにも言及している。
成長の原動力と潜む課題
報告書は、ソラナの成長を支える複数の要因を挙げた。中でも、高い処理速度と極めて低い取引コストは、同ネットワークの主要な成長エンジンとなっており、他のブロックチェーンでは参加が難しい個人ユーザーの大量流入を可能にしている。
また、エコシステムの多様性も成長を後押ししている要素の一つだ。分散型金融(DeFi)やミームコインの作成、分散型ワイヤレスインフラの構築といった多様なユースケースが、自己強化的な経済モデルを形成している。
利用の拡大が手数料収益を生み出し、それがさらに開発者や新たなアプリケーションを引きつけるという、好循環が生まれている。
一方で、報告書はソラナの限界やリスクについても言及。特に、SOLの高いインフレ率や中央集権化の傾向は、ビットコインやイーサリアムと比べて「長期的な価値の保存手段としては不向きである可能性がある」として懸念を示した。
さらに、ソラナの効率性は、比較的高性能なハードウェアや帯域幅を必要とする設計に支えられており、ネットワークの分散性に課題が残るとも指摘されている。
過去にはネットワーク停止や、FTX破綻との関係性といった大きな問題にも直面したが、それにもかかわらずソラナは並外れた回復力を示している。
詳細な経済指標とソラナの今後の展望
手数料に関するデータは、市場の状況によって大きく変動する。
たとえば、月間4億2500万ドルという数値は、過去のピーク時の活動水準を反映したものだが、Token Terminalのデータによれば、直近数カ月間におけるソラナのチェーンレベルの手数料収入は月間3000万〜4000万ドルの範囲に落ち着いている。
一方、DeFiLlamaのデータでは、チェーンレベルの手数料に加え、アプリケーション層での手数料も含めると、ソラナのネットワーク全体での手数料収入は月間3億〜4億5000万ドルに達するという。
トークノミクス面では、SOLの供給量は年率4〜4.5%で増加中だ。一方、ステーキングによる名目利回りは約7%であるため、インフレ率を差し引いた実質利回りはおよそ2.5〜3%となる。
ネットワークの稼働状況に関しては、DeFiLlamaによると、ソラナは1日あたり約260万のアクティブアドレスを維持しており、同期間内に約6,700万件のオンチェーン取引を処理している。これは、他の主要チェーンと比較しても高いアクティビティを示している。
グレースケールは、ソラナの競争優位性について、特定のユースケースに依存しない柔軟性にあると分析。
取引、ゲーム、ソーシャルファイナンス(SocialFi)、NFTなど、さまざまな領域を単一のエコシステムに統合することで、より包括的なデジタル経済圏の形成を目指している。
報告書は、こうした基盤が今後も成長を続けるならば、ソラナのファンダメンタルズがSOL価格にポジティブな影響を与える可能性があると結論づけている。
