暗号資産(仮想通貨)運用会社大手のグレースケールはこのほど、レバレッジを活用する企業の動向がビットコイン(BTC)の価格変動に影響を与えているとの見解を示した。
優先株の下落がもたらす資金調達への圧力
グレースケールのザック・パンドル調査責任者は、特定の企業によるビットコインの売却動向に注目している。
同氏の分析の対象となっているのは、積極的なビットコイン取得を進めるストラテジーだ。同社は最近、32 BTCを市場で売却した。
パンドル氏はこの動きを、レバレッジを活用した資産蓄積モデルにおけるストレスの初期症状とみている。ストラテジー社は優先株などを通じて資金を調達し、その資金で仮想通貨を購入する手法をとっている。
優先株の価格が下落すると、市場はより高い利回りを求めるようになる。資金調達の条件が悪化すると、新たな資本を適切な条件で得ることが難しくなる。
その結果、配当などの義務を果たすために手元のビットコインを売却して現金を確保する必要に迫られる。
このような資金繰りの悪化は、下落局面での買い支え能力を著しく低下させる。
新たな需要の必要性と市場心理への影響
レバレッジを活用する買い手は通常、価格が下がった際に資金を投じて市場を安定させる役割を担う。しかし、資金調達が困難になるとその機能が失われ、価格の下落がより急激になる傾向がある。
著名な大口保有者が売却に転じると、市場参加者の心理にも大きな影響を及ぼす。
他のトレーダーもリスクを警戒してポジションを縮小し、価格変動がさらに拡大する可能性がある。
グレースケールは、ビットコインが安定した底値を見つけるためには、新たな需要層の参入が不可欠だとみている。上場投資信託(ETF)や機関投資家など、レバレッジに依存しない買い手が求められる。
このような新たな需要が迅速に現れない場合、市場は売りを吸収できる水準を探りながら下落を続ける可能性がある。
投資家はオンチェーンデータだけでなく、大口保有者の資本構造や資金調達の健全性にも注意を払う必要がある。
