米デジタル資産運用大手のグレースケール・インベストメンツは26日、暗号資産(仮想通貨)市場の今後の動向に関する調査レポートを発表した。
規制動向と金融政策が鍵に
グレースケールは、米国の規制動向と連邦準備制度理事会(FRB)の政策がビットコイン(BTC)の価格を左右する最大の要因だと分析している。
特に注目されているのが、デジタル資産の市場構造を包括的に定義する「CLARITY法案」の行方だ。
同法案はすでに下院を通過したものの、上院では審議が長期にわたり停滞しており、市場に不透明感をもたらしている。
今回のレポートでは、市場にとって前向きなシナリオが具体的に示されている。
CLARITY法案が上院を無事に通過し、FRBが追加利上げを見送れば、ビットコインはすでに底を打っている可能性があるという。
明確なルールが連邦レベルで整備されることで、機関投資家の本格的な参入が促進されると期待されている。
また、ストラテジーなどの関連企業が財務基盤を強化することも、市場全体の安定につながると指摘している。
企業が保有する大規模な資産への不安が和らぐことで、強制的な売却への懸念が後退し、市場心理の大幅な改善が見込まれる。
緩やかな下落リスクも存在
一方で、法案の成立が遅れ、インフレ高止まりによりFRBが再び利上げに踏み切った場合の下落シナリオも提示している。
金利上昇により市場の流動性が低下すれば、リスク資産である仮想通貨には強い逆風となる。この場合、デジタル資産関連企業が負債を減らす動きを強めることが予想される。
企業による資産の売却が続けば、ビットコインは急落ではなく緩やかに下落を続ける可能性がある。
ただし、グレースケールは一部で囁かれる80%の暴落といった極端な弱気予想は明確に否定している。
市場構造が完全に崩壊するわけではなく、あくまで政策の遅れによる一時的な調整にとどまるとみている。
市場は現在、規制と金融政策の明確な方向性が示されるのを待つ、一種の様子見の状況にある。
人工知能(AI)関連株など他の分野に資金が流れる中、ビットコインは一定の価格帯での推移が続いている。
また、イーサリアムなどの主要なアルトコインも同様に方向感を欠く展開となっている。
今後の法案審議とFRBの動向が、相場の次なる展開を決定づける重要な要素となりそうだ。
