欧州刑事警察機構(ユーロポール)は28日、ドイツおよびスイスの法執行機関と協力し、大規模な暗号資産(仮想通貨)ミキシングサービス、クリプトミキサーを閉鎖した。
この作戦は、サイバー犯罪による資金洗浄を助長していた欧州最大級のプラットフォームを標的としたもので、当局はスイス・チューリッヒを中心にサーバーやドメインの差し押さえを実施した。
ユーロポールによると、クリプトミキサーは16年の開始以来、約15億1000万ドル相当のビットコイン(BTC)の洗浄に関与していたとされる。
取引履歴を隠蔽する機能を提供しており、犯罪者にとって魅力的なツールとなっていた。
国際的な連携による摘発
同サービスは、ユーザーから預かった資金をプールし、複雑な手順で再分配する仕組みを備えていた。これにより、ブロックチェーン上の取引履歴が遮断され、資金の出所を隠蔽することが可能だ。
この高い匿名性は、ランサムウェア攻撃を行う犯罪集団やダークウェブ上の違法市場にとって有用な手段となっていた。
「オペレーション・オリンピア」と呼ばれる今回の作戦では、ドイツ連邦刑事庁やチューリッヒ警察が現場での強制捜査を主導した。
運営に使用されていた3台のサーバーとドメイン、さらに約2900万ドル相当のビットコインが押収された。
また、12テラバイトに及ぶ運営データも確保されており、今後の犯罪捜査において重要な証拠になると見込まれている。
ユーロポールのサイバー犯罪対策センターが各国の情報を集約し、国境を越えた連携を主導した。
規制強化と今後の捜査への影響
今回の措置は、仮想通貨を利用したマネーロンダリングに対する国際的な取り締まり強化の一環だ。
欧米の規制当局や法執行機関は、匿名性を特徴とするミキシングサービスへの監視を強めており、過去にはTornado Cashなども制裁対象となっている。
こうした取り締まりの強化は、規制の緩い海外の仮想通貨取引所を経由した資金洗浄ルートの解明にも波及している。
その一環として、クリプトミキサーの利用者には北朝鮮政府に関連するハッカー集団が含まれていたと報告されている。
同サービスは、盗まれた資金の洗浄にも使用されていた疑いがあり、当局は押収したデータの解析を進めている。
確保されたデータからは、他のサイバー犯罪グループとの関係性も明らかになると見られ、当局はミキシングサービスの遮断を犯罪収益の流通を断つ手段として重視している。
並行して、巧妙化する仮想通貨詐欺への対策も強化する方針だ。
