ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターは10日、イーサリアム(ETH)の電力消費に関する最新レポートを公開した。
マージ後の電力消費が大幅に減少
レポートによると、イーサリアムの年間電力消費量は約7.87ギガワット時となっている。
これは連続電力約0.90メガワットに相当する。年間排出量は約2.37キロトンCO2換算と推定されている。
これらの数値は、プルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークへの移行前と比較して99.9%以上減少している。排出量レベルについても、移行前から99.98%の削減を達成した。
この電力消費量は、大英博物館が消費するエネルギーの半分以下に相当する規模だ。
一方で、依然としてプルーフ・オブ・ワークを採用するビットコインの電力消費量は高い水準にある。
今回の調査は理論上のモデルではなく、実際のインフラを監査する手法が用いられた。20種類のクライアント構成を直接測定し、ネットワークを支える約8,522のノードに適用して算出している。
移行後もプロトコルのアップグレードや組織の変化があったため、最新の測定に基づく評価が必要とされていた。
レポートは、電力を消費する主な要因はバリデーターではなくノードであると強調している。ノードあたりの平均消費電力は約105ワットと見積もられている。
ネットワークの残留気候フットプリントは、英国の約900世帯の年間炭素フットプリントに相当する。
環境負荷はノードの設置地域に依存
現在のイーサリアムの環境フットプリントは、ノードに電力を供給する地域の電力網に大きく依存している。移行後のネットワークでは、電力がセキュリティの主なコストではなくなった。
そのため、ノードがどこに設置され、どのような電力が使われているかが重要となっている。
ノードの設置場所は特定の地域に集中している。米国が31%.ドイツが16%、フィンランドが8%、フランスが6%を占める。
これら4カ国だけで全体の約62%のフルノードをホストしている状態だ。
また、全体の約64パーセントがクラウドや企業のデータセンターで稼働している。残りの約36%が個人のハードウェアで運用されている。
最大のホスティングプロバイダーはHetzner、Amazon Web Services、OVHとなっている。これら3社だけで全体の約40パーセントのノードをホストしている。
エネルギーの調達元も環境負荷を左右する大きな要因だ。仮想通貨を動かす電力の56.4%は、持続可能なエネルギー源から供給されている。これは世界平均の約43%を上回る水準だ。
各国の電力網の脱炭素化が進むにつれて、イーサリアムの排出量はさらに減少していくと予想されている。
