イーサリアム財団は15日、イーサリアム(ETH)を自律型AIエージェントの決済レイヤーとして確立することを目的とした、新たな分散型AI(dAI)チームを発足した。
dAIチームのリーダーを務めるDavide Crapis氏が公式Xへの投稿で明らかにしたもので、イーサリアムの役割を単なる暗号資産(仮想通貨)やスマートコントラクトのプラットフォームから、新たなAI経済の基幹インフラへと拡大させる戦略的な動きである。
We’re starting a new AI Team at the Ethereum Foundation (the dAI Team).
Our mission: make Ethereum the preferred settlement and coordination layer for AIs and the machine economy.The team will focus on two main areas:
– AI Economy on Ethereum = giving AI agents and robots ways… pic.twitter.com/9sWVS4dp0K— Davide Crapis (@DavideCrapis) September 15, 2025
イーサリアム上にAI経済圏を構築
Crapis氏によると、dAIチームの使命は「自律型エージェントが中央集権的なプラットフォームの監視なしに取引、連携、評判構築できる決済レイヤーとしてイーサリアムを確立すること」にある。
この構想は2つの主要な優先事項に基づいている。一つは、ロボットやAIエージェントがイーサリアムネットワーク上で直接決済を行い、ガバナンスルールに従うことを可能にし、AI経済を構築することだ。
もう一つは、分散型AIスタックを推進し、AIシステムが独占的な技術に依存せず、オープンで検証可能、かつ検閲耐性のあるインフラ上で開発される環境を確保することである。このような動きは、将来的にAIエージェント仮想通貨が新たな市場を形成する可能性を示唆している。
財団はすでに、AIエージェントが自身の身元を証明し、イーサリアムブロックチェーン上で安全に取引を行うための技術標準案「ERC-8004」に取り組んでいる。
ブロックチェーンとAIの共生関係
このイニシアチブの背景には、ブロックチェーン技術とAIの間に共生関係があるという財団の認識がある。
Crapis氏は「ブロックチェーンはAIの信頼性を高め、AIは第二の規模を誇る仮想通貨であるイーサリアムの有用性を高める」と述べている。
財団は、AIエージェントの数が増え、その能力が高度化するにつれて、「価値と評判を固定するための中立的なブロックチェーンレイヤー」がますます必要になると予測しており、イーサリアムがその役割を担うのに最適な位置にあると見ている。
これは、中央集権的な巨大テクノロジー企業がAIエコシステムを支配することへの懸念に応えるものであり、イーサリアムは「中立的で検証可能、かつ検閲耐性のあるインフラ」を代替案として提供する。
長期的な展望とエコシステムとの連携
dAIチームの哲学について、Crapis氏は「イーサリアムとAIの融合は、人間が主体性を保ち、AIがその潜在能力を最大限に発揮できるようにするためのものだ」と語った。
同チームは、イーサリアム財団内のプロトコルチームやエコシステムチームと密接に連携して活動する計画だ。
AI開発者のニーズをプロトコルの改善に結びつけ、革新的な公共財へ資金を提供することで、イーサリアムをAIにとって最適な基盤にすることを目指す。
さらに、ブロックチェーンとAIの融合分野で活動するエコシステム内のプロジェクトや学術研究者とも幅広く協力していく方針である。
今回の発表は、分散型システムとAI技術の融合への関心が高まる中で行われた。
イーサリアム財団は、イーサリアムの今後の役割を、次世代の自律型デジタルエージェントに不可欠な、安全で信頼性の高い分散型決済機能を提供する基盤として明確に位置づけている。
