ブロックチェーン分析企業のクリプトクアントは10日、イーサリアム(ETH)が普及のパラドックスに直面していると分析した。
報道によると、クリプトクアントのフリオ・モレノ・リサーチ責任者は、現在の弱気トレンドが続いた場合の見通しを示した。
ポジティブな資本の流入がない限り、2026年第3四半期後半から第4四半期初めまでに、価格が1,500ドルまで下落する可能性があるという。
ネットワーク活動と価格の乖離
イーサリアムのネットワーク活動は、現在過去最高水準に達している。
デイリーアクティブアドレスは200万近くに上り、スマートコントラクトの呼び出しは1日4000万回を超えた。
これらの指標は分散型金融(DeFi)やステーブルコインの普及に牽引され、2021年の強気相場を上回る規模となっている。
しかし、利用が急増しているにもかかわらず、イーサリアムの価格はサイクルのピークから50%以上下落している。現在は2,000ドル前後で取引されており、高い活動が価格上昇を支えるという過去の傾向が崩れている。
この現象は専門家の間で「普及のパラドックス」と呼ばれている。
イーサリアム下落予測の背景
現在のイーサリアムの価格設定は、ネットワークの成長よりも資本流出の影響を強く受けている。
投資家の撤退を示す指標が確認されており、取引所への大量送金が特にビットコイン(BTC)に対する売り圧力を高めている。
また、市場全体の低迷の中で、3月上旬には上場投資信託(ETF)から3億7320万ドルが流出した。
さらに、Baseなどのレイヤー2ネットワークの台頭が、メインネットの収益を希薄化させている。レイヤー2は大量の取引を処理する一方で、メインネットに支払う手数料は最小限にとどまっている。
直近30日間のイーサリアムの手数料収入は1029万ドルで、トロン(TRX)やソラナ(SOL)などの他のブロックチェーンに遅れをとっている。
イーサリアムはステーブルコイン市場で1620億ドルと52%のシェアを握っている。しかし、ネットワークの活況が価値の獲得に結びついていない。
モレノ氏は、価格の回復には取引所への流入減少と新たな資金の流入が必要だと指摘している。過去のサイクルとは異なり、活動の増加が直接価格を押し上げる状況にはないようだ。
