暗号資産(仮想通貨)投資商品は29日、9月26日に終了した週に8億1200万ドルの純流出を記録した。
これは、ここ数カ月で初めてのまとまった週間流出となる。
米国の利下げ期待後退が背景
この資金流出の主な引き金は、予想を上回る米国のマクロ経済指標だった。改定されたGDP統計などが公表され、2025年中の米連邦準備制度理事会による利下げ期待が後退した。
これは利下げ期待の後退が直接的な要因となり、伝統的な市場への信頼感が高まる中で資金が再配分されたと指摘されている。
流出額の大部分は米国市場が占め、10億ドルの純流出となった。
一方で、スイス、カナダ、ドイツではそれぞれ1億2680万ドル、5860万ドル、3550万ドルの純流入を記録し、米国以外の市場では底堅さが見られた。
この大規模な資金流出は、FRBが9月に実施した利下げが市場の期待を下回ったことも影響している。
仮想通貨市場は金融政策の変化に敏感で、利下げペースの鈍化は投資家のリスク選好度を低下させる。
特に機関投資家は、高い経済成長率とインフレ圧力の継続により、より確実性の高い伝統資産への資金移動を進めている。
ただし、リップル(XRP)とソラナ(SOL)には流入が続いており、投資家の関心は主要通貨から代替銘柄へとシフトしつつある。
ソラナはETF期待で資金流入が加速
資産別に見ると、ビットコイン(BTC)の投資商品から7億1900万ドル、イーサリアム(ETH)からは4億900万ドルの資金が流出した。
対照的に、ソラナは2億9100万ドルの純流入を集めた。これは米国市場でソラナを基盤とするETFが承認されるとの期待感によるものだ。
この動きはETFローンチ前の買い集め効果を生んでいる。リップルも9310万ドルの純流入を記録した。
一方でイーサリアムは、9月の月間流入額が8620万ドルにとどまるなど、短期的な勢いの鈍化が示された。
週間では大幅な流出となったが、仮想通貨の年初来の純流入額は依然として396億ドルと堅調に推移している。
現在のペースが続けば、2024年の年間記録である486億ドルを超える可能性も残る。
特にスイスは6週連続で純流入を記録しており、明確な規制環境が資本を引きつける要因となっている。
今回の流出は一時的な調整であり、マクロ経済環境が安定すれば、市場の建設的な傾向は続くと見られる。
