オンチェーン分析企業のクリプトクアントは23日、米マイクロストラテジーに対して暗号資産(仮想通貨)の購入を一時停止するよう提言した。
配当義務の増加と現金準備の減少
クリプトクアント(CryptoQuant)は、マイクロストラテジー(MicroStrategy)の財務状況に関する詳細な評価報告書を公開した。
同社が発行する永久優先株に関連する年間配当義務が、約4倍の12億ドル(約1,944億円)に急増していると指摘している。
この配当は、仮想通貨の市場パフォーマンスに関係なく、多額の現金流出を伴うものだ。
一方で、同社の現金保有高は今年に入って約38%減少したと推測されている。
手元現金による配当の支払い能力が、従来の7年分以上から約14ヶ月分へと大幅に縮小した。安全マージンが急激に圧縮されている状況だ。
この短期的な流動性の悪化を受け、クリプトクアントは新規のビットコイン(BTC)の購入を一時的に見合わせるべきだと結論付けた。
まずは手元の現金準備を再構築し、今後の資産蓄積においてはより慎重な姿勢を取るよう求めている。
さらに、価格変動リスクを回避するため、ステーブルコインの保有比率を高めることも一つの選択肢となる。
長期戦略と短期的な流動性のバランス
マイクロストラテジーはこれまで、ビットコインを主要な財務準備資産とする戦略を積極的に推進してきた。
同社は21万4,000BTC以上の保有量があれば、現在の市場価格で約32年分の配当を十分に賄えると主張している。優先株の魅力を維持するために、配当率の引き上げも行ってきた。
しかし、この計算は市場価値に基づくものであり、すぐに利用できる現金ではない。
クリプトクアントの分析は、実際の現金残高に焦点を当てており、価格下落時や資本市場が縮小した際のリスクを強く懸念している。
ボラティリティの高い資産への依存は、短期的な現金確保の代わりにはならないという見方だ。
今回の提言は、同社のビットコイン戦略そのものを否定するものではない。むしろ、リスク管理の一環として現金準備を回復させることを目的としている。
企業の仮想通貨保有において、積極的な資産蓄積と従来の流動性維持のバランスを取る難しさが浮き彫りになっている。
なお、国内ではメタプラネットが同様の財務戦略を進めており、その動向にも関心が集まっている。
