暗号資産(仮想通貨)取引所大手のコインベースとバイビットは20日、米国株のトークン化に向けた協業の協議を開始したと報じられた。
両社は米国の上場株式や新規株式公開(IPO)前の株式をトークン化し、世界中に配信する計画について話し合っている。コインベースが持つ米国での規制対応の経験と、バイビットのアジアを中心とした顧客基盤を組み合わせる狙いがある。
現時点で両社はコメントを控えており、正式な合意には至っていない。
米国株トークン化に向けた両社の狙い
両者の協業の背景には、現実資産(RWA)をトークン化する需要の急増がある。2026年3月のトークン化株式の取引高は28億7,000万ドルに達した。これは前月比で80%以上の増加となり、市場の急速な拡大を物語っている。
トークン化された株式の保有者数も20万人を超えており、市場の勢いが増している。
コインベースは以前からソラナ(SOL)基盤のトークン化米国株などの動向を調査していた。
両社の協力が実現すれば、世界中の利用者が伝統的な障壁なしに米国の株式市場へアクセスできるようになる。
業界の動向とBybitの米国進出
仮想通貨業界では、トークン化金融の拡大に向けた提携が相次いでいる。
インターコンチネンタル取引所(ICE)によるOKXへの関与や、ドイツ取引所によるクラーケンへの出資などが代表例だ。
今回のコインベースとバイビットの協議も、こうした業界全体の流れに沿ったものだ。
一方で、バイビットの米国市場への進出は今回の協議とは別に進められている。4月30日に退社したバイビットのヘレン・リウ元共同CEOが率いる新会社が、米国での事業展開を担う予定だ。
この新会社は現地のパートナーと協力し、規制に準拠した形でサービスを提供する。
このバイビットの米国進出の動きに対して、コインベースは一切関与していないと関係者は明確に否定している。
両社の協議は資本関係を結ぶものではなく、あくまで製品の相乗効果を重視している。将来的に単一のアプリを通じて、世界中からトークン化資産にアクセスできる環境の構築を目指している。
