カナダ連邦政府は27日、ステーブルコイン規制の包括的な枠組みを準備しており、11月4日に予定される連邦予算で発表される見通しだ。
政府当局者は数週間にわたり規制当局や業界関係者と協議を重ねてきた。米国のGENIUS法成立を受け、カナダも国際的な枠組みとの調和を急いでいる。
現行の規制の課題と新たな枠組み
現在、カナダにおけるデジタル資産の監督は、州の証券規制当局と連邦金融取引・報告分析センター(FINTRAC)が責任を分担しており、規制の曖昧さが課題となっている。
カナダ証券管理局(CSA)は、ステーブルコインを「価値参照型暗号資産」と分類し、証券または派生商品として扱っている。
この分類は国際的な枠組みと大きく異なる。米国のGENIUS法は決済用ステーブルコインを非証券・非商品と位置づけ、欧州連合(EU)は暗号資産市場規制(MiCA)の下で非証券として扱う。
カナダ中央銀行は規制の明確化の必要性を訴えており、同行決済部門のロン・モロー執行役員は9月18日の演説で、「政府は消費者が利益を享受し、信用リスクや流動性リスクから保護されるよう、ステーブルコインやその他の仮想通貨を規制する方向に動いている」と述べた。
資本流出と金融政策への懸念
カナダが規制スケジュールを加速させる主な要因は、米ドル建てステーブルコインへの資本流出を防ぎ、金融主権を守る必要性だ。
カナダ革新評議会の共同議長であるジョン・ルフォロ氏は、「遅延はカナダ国債への需要を損ない、カナダ中銀の金融政策に対する統制力を弱める可能性がある」と警告する。
米国のGENIUS法成立により、カナダの規制当局は国際的なアプローチとの調和を図る圧力が高まっている。主要経済圏との規制の相違は、カナダを新興の国際決済ステーブルコインエコシステムから孤立させるリスクがある。
業界関係者は、規制の調和がなければ、カナダ人は外国発行のステーブルコインや関連決済インフラへの依存を強め、国内の金融政策の有効性が損なわれる可能性があると警告する。
グローバル競争と国内イノベーション
ステーブルコイン市場の総供給量は3000億ドル(約45兆9000億円)に迫り、米ドル連動型トークンが市場を支配している。
欧州はMiCA規制を導入し、日本や香港などアジア諸国も政策開発を加速させており、グローバル規制競争は激化している。
カナダ中銀は9月18日、カナダがステーブルコイン規制で「グローバルな競合国に後れを取っている」と警告し、連邦レベルでの調整された枠組みの開発努力を強化した。規制の不確実性にもかかわらず、カナダのフィンテック革新は進展している。
テトラ・デジタル・グループは最近、ショッピファイ、ウェルスシンプル、ナショナル・バンク・ファイナンシャルなどの大手企業の支援を受け、カナダドル建てステーブルコインのローンチに向けて1000万ドルを調達した。
同様に、ステーブルコープは9月に約500万カナダドルの資金調達を完了し、「完全準備金制、監査可能」なステーブルコインQCADの展開を加速させている。
国際通貨基金(IMF)は、ステーブルコインが「プログラマビリティなどの新機能を解き放ち、デジタルプラットフォームにシームレスに統合され、国境を越えた資本の流れを統一する方法で、流動性、決済、経済の安定性を再構築している」と指摘している。
