イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は21日、低リスクのDeFiがイーサリアムの主要な収益源になり得るとの見解を示した。
ブテリン氏は、このモデルをGoogleの検索・広告事業になぞらえている。現在のミームコインやNFTのような投機的商品への依存から脱却し、持続可能な収益基盤を築くべきだと主張した。
同氏は、DeFiプラットフォームAaveのステーブルコイン貸付が提供する年利5%のような、安定的で信頼性の高いリターンを生む低リスクDeFiが、イーサリアムの長期的価値と一致すると指摘している。
Low-risk defi can be for Ethereum what search was for Googlehttps://t.co/6xIxCrOToQ
— vitalik.eth (@VitalikButerin) September 20, 2025
投機依存からの脱却と収益の課題
イーサリアムのオンチェーン収益は、2025年7月の2560万ドルから8月には1410万ドルへと44%減少しており、収益構造の見直しが課題だ。
ブテリン氏は、ミームコインやNFTのような短期的なトレンドに依存する現状は、ネットワークの長期的なビジョンと整合しないと分析する。
一方で、DeFi市場全体の預かり資産総額(TVL)は、2022年初頭以来初めて1000億ドルを突破。この事実は、DeFiへの関心が再燃していることを示しており、ブテリン氏の構想を後押しする材料となっている。
同氏は、低リスクDeFiを優先することがイーサリアムの経済的安定につながると強調。これにより、投機的な仮想通貨の価格変動に左右されない、強固なエコシステムを構築できるとしている。
低リスクDeFiを支える技術と規制の進展
ブテリン氏の構想は、いくつかの重要な要因に支えられている。
まず、イーサリアムのアップグレード「EIP-4844」やレイヤー2スケーリング技術の進展により、取引手数料が90%削減された。これにより、一般ユーザーにとってDeFiサービスがより利用しやすくなった。
次に、2024年に成立した米国のCLARITY法のような規制整備が進み、機関投資家が参入しやすい環境が整いつつある。
さらに、市場では高リスクな運用の脆弱性も明らかになった。2023年にはDeFiのハッキング被害額が38億ドルに達し、予測可能で安定したリターンへの需要が高まっている。
ブテリン氏は、革新的な技術よりも信頼性と相互運用性が重要だと指摘する。
仮想通貨ウォレットへの統合などを通じて、ユーザーが自然に低リスクDeFiを利用する仕組みを構築することが、Googleの検索エンジンのような支配的な地位を築く鍵だとの考えを示した。
イーサリアムの今後の成功は、投機から離れ、実用的な金融インフラとして価値を創造できるかにかかっている。このビジョンは、プロトコルの研究開発などを支える公共財への資金供給にもつながると期待される。
