韓国Bithumb、IPO準備で事業再編を発表|取引所以外を分離

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事業再編を示す二つに分かれる抽象的な建物と仮想通貨シンボル

韓国の大手暗号資産(仮想通貨)取引所Bithumbは22日、2025年7月31日までに事業再編を完了することが明らかになった

この再編は、同社の新規株式公開(IPO)に向けた準備の一環であり、取引所運営と関連性の低い事業を分離することを目的としている。

事業再編の詳細と目的

計画では、取引所以外の事業を「Bithumb A」という名称の新会社に移管する。この分離により、Bithumb本体は仮想通貨取引所というコア事業に集中できるようになる。

主な目的は、潜在的な事業リスクを分離し、運営効率を高めることにある。これは、将来のIPOに向けて企業価値を高め、投資家への魅力を向上させる戦略的な動きと見られる。

Bithumbは、米国のナスダック市場または韓国国内の証券取引所への上場を検討している。また、中央集権型取引所(CEX)として、近年注目を集めるDEX(分散型取引所)との差別化も、今後の戦略において重要となるだろう。

財務状況と今後の焦点

Bithumbは昨年、純利益1億1000万ドル(約154億円)を計上し、前年から大幅な財務改善を示した。

同取引所は多様な暗号資産を取り扱っており、その中には将来的な成長が期待されるアルトコインも含まれている。

しかし、2023年には収益の落ち込みや法的な不確実性といった課題も抱えており、投資家の評価に影響を与える可能性が指摘されている。

再編後の所有構造として、Bithumbは新設される投資部門「Bithumb A」の株式60%を保持し、残りの40%は他の関係者が保有する予定だ。

コア事業である仮想通貨取引業務(主に取引手数料収入)への集中を強化することで、Bithumbは自社の価値提案と運営効率を投資家に対してより明確に示そうとしている。

著者: 峯 竜也

暗号資産とブロックチェーン技術に特化したジャーナリスト。業界の最新動向や市場分析を発信。技術的な深掘りから初心者向けガイドまで、幅広い読者に向けたコンテンツ制作を得意とする。