バミューダ政府は20日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、国家経済を「完全にオンチェーン化」する計画を発表した。
同政府は、米大手取引所のCoinbase(コインベース)およびステーブルコイン発行企業のCircle(サークル)と戦略的提携を結んだ。
この取り組みにより、バミューダは世界初の完全なオンチェーン国家経済への転換を目指すことになる。
発表によると、両社はバミューダ政府や現地の銀行、保険会社、中小企業に対し、暗号資産(仮想通貨)のインフラやツールを提供する予定だ。
また、国民向けのデジタル金融教育や技術的な導入支援も計画に含まれている。
具体的には、政府部門内でのステーブルコイン決済の実装や、地元店舗でのUSDC普及促進が目標とされている。
さらに、金融機関によるトークン化技術やその他のデジタル金融ツールの採用も支援していく方針だ。
決済コストの削減と経済効率の向上
今回の決定の背景には、島国特有の経済的な課題がある。バミューダのような多くの地元企業を抱える経済圏にとって、従来の決済手段は高コストで制限が多いという現状があった。
外部の決済処理業者や現地の銀行システムを経由することで手数料が高騰し、企業の利益率を圧迫していた。
政府は取引コストの削減を主要な動機として挙げており、USDCの導入による解決を図る。
米ドル連動型ステーブルコインであるUSDTと同様の利便性を持つUSDCを活用することで、店舗は高速かつ低コストでの決済受け入れが可能になる。
すでに実施された試験運用では、手数料の削減や地域商業の支援といった具体的な成果が確認されている。
2025年に開催されたデジタル金融フォーラムでは、参加者全員に100USDC(約1万5800円)が配布された。
参加者は新たにシステムを導入した地元店舗でこれを利用し、初期段階での普及が実証された。
強固な規制基盤と将来への展望
バミューダは2018年、包括的なデジタル資産法を導入した最初の法域の一つとして知られている。
コインベースとサークルは、この制度下でライセンスを取得した最初のグローバル企業の一部だ。
コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、明確なルールと官民の強力な連携が今回の成果につながったと評価している。
長年にわたる規制環境の整備が、この野心的な移行の基盤となっている。
今後の展開として、2026年5月に開催予定のフォーラムが拡大の重要な場となる見込みだ。
政府機関による支払いの試験運用や、金融機関によるトークン化ツールの統合が段階的に進められる。
また、将来的にビットコインなどの主要銘柄が決済に組み込まれる可能性も注目されている。
デビッド・バート首相は、この取り組みが機会の創出とコスト削減をもたらすと強調した。
単なる決済手段の導入にとどまらず、教育やインフラ整備を含む包括的な国家戦略として推進される。
