国際的な銀行規制を策定するバーゼル銀行監督委員会(BCBS)は19日、銀行が暗号資産(仮想通貨)を保有する際の資本規制について、見直しを進めていることを明らかにした。
BCBSは、当初2025年1月に導入予定だった仮想通貨に関する健全性規制の枠組みを、2026年1月まで延期していた。
現行の枠組み案では、パブリックブロックチェーン上で発行されるステーブルコインを含む多くの仮想通貨に対し、1250%という極めて高いリスクウェイトを適用する方針が示されている。
これに対し、主要な金融機関は「仮想通貨関連サービスへの関与を事実上不可能にするものだ」と強い懸念を表明していた。
規制見直しの背景とステーブルコインの扱い
今回の見直しの主因は、規制されたステーブルコインの急速な市場拡大にある。
銀行業界団体であるGFMAなどは、現在のルールが技術的な実態と乖離していると指摘している。
特に、承認された保有者のホワイトリスト化や不正アドレスの凍結といった管理機能を持つにもかかわらず、パブリックチェーン上のステーブルコインをビットコインと同様の高リスク資産として扱うことへの批判が根強い。
米国政府もこの動きを後押ししている。
米ホワイトハウスは2025年7月のデジタル資産報告書で、BCBSの決定には法的拘束力がないとしつつ、米国が国際的な議論を主導すべきだとの見解を示した。
BCBSのエリック・テデーン議長も、ステーブルコインの普及に伴い新たなリスク分析が必要であり、規制枠組みにおいて異なる扱いが必要になる可能性を認めている。
銀行業界からの具体的な要望
銀行業界団体は、BCBSの資本規制枠組みに対して具体的な技術的修正を求めている。
要望の中心には、仮想通貨の保有上限撤廃やリスクウェイトの調整など、ヘッジ取引が一般化している現状を反映した内容が含まれる。
また、技術的中立性の観点から、インフラリスクに関する追加要件が特定技術を不当に制約しているとの指摘もある。
一方で、欧州の一部規制当局は依然として金融システムへの潜在リスクを警戒する姿勢を崩していない。
しかし、米国や英国の当局は、仮想通貨関連のイノベーションを阻害しない柔軟な規制運用を求める立場を示しており、国際的な調整と議論は続いている。
BCBSは、各国の規制哲学の違いを調整しながら、2026年中に改定案を最終化する見通しだ。
この規制動向は、銀行による仮想通貨保有や関連サービスの提供環境に大きく影響する可能性があり、投資家や金融機関は引き続き慎重に状況を見極める必要がある。
