アーサーヘイズ氏、銀行の仮想通貨利得に警鐘|DAT企業拡大を予測

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崩れゆく伝統的な銀行から、光るノードで構成された分散型ネットワークが解放される様子のイラスト。

暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXのアーサー・ヘイズ共同創設者は19日、シンガポールで開催されたイベントで、分散型代替(DAT)企業の増加を予測した

その中で、伝統的な銀行が仮想通貨インフラから過剰な利益を得ていると批判した。

銀行による利益搾取とステーブルコイン市場の現状

ヘイズ氏は、大手金融機関キャンターフィッツジェラルドがステーブルコイン発行大手テザー社の銀行業務を担うことで、先月だけで1億6000万ドルの手数料収入を得たと指摘。

これは、既存金融機関が仮想通貨のエコシステムから持続不可能な利益を搾取している一例だと同氏は主張する。

この背景には、ステーブルコイン市場の独占的な構造がある。

ヘイズ氏によれば、新規のステーブルコイン発行者は、テザー、サークル、Ethenaといった既存の大手と提携する取引所が多く、流通チャネルが閉ざされているため市場参入が極めて困難な状況だという。

このため、銀行は既存の提携関係を利用して過剰な利益を得続けていると分析している。

分散型代替(DAT)とMaelstromの戦略

このような銀行主導の構造への対抗策として、ヘイズ氏は銀行のような仲介者を必要としないDAT企業の台頭を予測する。DAT企業とは、分散型自律信託などに代表される分散型自律組織を指す。

この予測は、同氏が率いるファミリーオフィスであるMaelstromの戦略とも一致。Maelstromは、トークンを発行せず、実際の現金収益を生み出す仮想通貨インフラ企業に特化して資金を投じている。

具体的には、2億5000万ドル規模のファンドを組成し、6社から8社の中規模な分析・取引プラットフォームの買収を目指している。

Maelstromのポートフォリオで最大の保有銘柄であるEthena(USDE)は、伝統的な銀行との提携を避け、1年足らずで業界第3位のステーブルコインへと急成長した成功例だ。

ヘイズ氏は、このような銀行に依存しないモデルが、今後の仮想通貨業界の主流になる可能性を示唆した。

仮想通貨分野へのプライベートエクイティによる資金調達が減少する中、革新的なプロジェクトは銀行を介さない分散型モデルへと移行しつつあり、この動きはさらに加速するとみられる。

著者: 松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。